著者
吉野 大介 羽藤 英二
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.802-809, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
11

公共交通サービスの提供がビジネスとして成立しない地区においては,公的主体により公共交通の整備を行う必要がある場面が見受けられる.その財源として税が投入される場合,社会的合意を得る必要があり,その際には公的負担の上限を鑑み,最も効率的に活動機会の均等化(公平性)が図られる施策を選定する必要がある.このような課題に対するひとつのアプローチとして公共交通需要の顕在化率をもとに施策展開の優先順位を検討する方法があり,包絡分析法を用いた評価手法が先行研究により開発されている.しかしながら,既往の評価手法は静的モデルであり,施策導入前後のwith-without評価に適用することが難しかった.そのため,本研究において包絡分析法とMalmquist指数の組み合わせにより評価モデルの動学化を図った.開発モデルについてはケーススタディの中でその適用可能性を検証し,将来趨勢シナリオではベンチマークとなる地区における需要の顕在化が図られる一方,ベンチマーク地区とそれ以外の地区の格差が広がることから,ベンチマークへの近接を促す施策の導入が必要であることが確認された.

言及状況

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復興時の公共交通網計画策定に際して,交通需要顕在化率をもとに施策の優先順位を評価する包絡分析法のモデルの改良を図ったものです.Malmquist指数の組み合わせでモデルの動学化を実現しています,使いやすいと思うんで,みんな読んでね.https://t.co/z7u2UwvtNE

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