著者
小花 光夫
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.15, no.Supplement, pp.37-41, 2000-05-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
8

病院内では数多くの微生物が病院感染を惹起する可能性を有しているが, 現在のところ腸内細菌群を中心としたグラム陰性桿菌の中ではMRSAや緑膿菌ほどに問題化している菌種はみられない. しかし, セラチア・マルセッセンス (Serratia maroesoens) などの一部の菌種は弱毒菌であっても汎用消毒薬に抵抗性を有していること, また, 本菌群のかなり多くのものがβ-ラクタム系薬剤を初めとした多種の抗菌薬に対して耐性を有していることなどから, 従来から本菌群は病院感染起炎菌として注目されていた. このことは, 新規のβ-ラクタム系 (特に, 第3世代セフェム系) 薬剤の開発が一時期本菌群に対して向けられていたことからも裏付けられ, その結果として, 本菌群の病院感染起炎菌としての重要性は一時的にはやや減少をみた. しかし, 近年, 基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌やメタローβ-ラクタマーゼ産生菌などのような新たな耐性菌が出現してきたことから, 本菌群の病院感染起炎菌としての重要性は再び増加しつつあり, しかも今後益々助長されるものと考えられ, 本菌群の動向には今後とも十分な監視と対応が必要といえる. 本稿では, 大腸菌 (Escherichia coli), サルモネラ (Salmonella spp.), クレブシェラ・ニューモニエ (Klebsiella pneumoniae), エンテロバクター (Enterobaoter spp.), セラチア・マルセッセンス (Serratia marcescens) などについて病院感染起炎菌という観点から感染経路や病原性などについて述べた.

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