著者
石田 浩 三輪 哲
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.648-662, 2009-03-31 (Released:2010-04-01)
参考文献数
30
被引用文献数
8 4

本稿では,世代間の階層移動を分析対象として,戦後日本にみられる長期的趨勢と国際比較の視点からみた日本社会の位置づけという2つのテーマを分析した.第1のテーマについては,社会の流動化の指標である相対移動率に着目すると,戦後日本の長いスパンを通して階層移動はおおむね安定しており,1995年から2005年にかけて日本社会の流動性が下がり階層の固定化が進展したという近年の「格差拡大論」を支持する結果は得られなかった.近年格差に関する関心が飛躍的に強まっているのは,おそらく人々が絶対レベルの移動の変化に反応しているためと考えられる.近年みられる社会の上層レベルでのパイ縮小と上昇移動率の低下,それと対応した下層レベルでのパイ拡大と下降移動率の上昇という変化が背景にあると思われる.第2のテーマの国際比較では,1970年代と90年代において日本社会が産業諸国の中でどのように位置づけられるかを検討した.相対移動率に着目すると,日本はどちらの年代でも,流動性がとりわけ大きくも小さくもない社会であることがわかった.全体移動率についてみると,日本は遅れて急速に発展した後発社会の特徴をもち,産業化の進展とともに全体移動率が顕著に増加したことが確認された.本稿では絶対と相対の双方の移動の趨勢を同時に検討することで,それぞれの社会の産業化の進展の軌跡と移動の趨勢の関連を考慮しながら,社会の位置関係を考察した.

言及状況

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例えば、階層移動に着目する方法があります。あるいは、ジニ係数を用いた国際比較もありますね。日本の階層移動の程度は、OECD諸国のなかで中位であり、ジニ係数はOECD諸国の平均より上です。 https://t.co/ArNvf2HIug
>社会全体の相対移動率にみられる年代別変化に着目すると,戦後日本の長いスパンを通して階層移動はおおむね安定しており,1995年から2005年にかけて日本社会の流動性が下がり階層の固定化が進展したという近年の「格差拡大論」を支持する結果は得られなかった.https://t.co/gbKDLbxm8U
格差を専門に研究されてる東大の石田先生によると、格差が拡大しているという命題それ自体に疑問符が投げかけられていて、記事の結論である「貧乏人が東大に行きにくくなっている現代の大学受験」はファンタジーっぽいよなぁ。 https://t.co/P8MK9Qy0wJ https://t.co/i4k5KbiDba https://t.co/pt6VzbdYrW
・階層移動率の推移。全体移動率は85年69%から05年68%。上昇移動率は05年38%、95年41%(7.8%減)。下降移動率05年14.5%、55年7.1%(2倍)石田浩P652https://t.co/NzAyuRDDgR #階級 https://t.co/EIiSMDWQhi
J-STAGE Articles - 階層移動から見た日本社会(石田・三輪 2011) https://t.co/OY4THrrml2 「相対移動率に着目すると,日本はどちらの年代でも,流動性がとりわけ大きくも小さくもない社会であることがわかった」
上昇移動率は95年41%以降05年38%と減少。 下降移動率は55年7.1%以降一貫して増加し05年14.5%。 上昇と下降の比は05年2.66で95年3.47よりも減少。戦後一貫して3.5前後だった。「階層移動から見た日本社会」石田浩。p652https://t.co/qNjlRWWFco https://t.co/jEgzAeYExI
2 2 https://t.co/mg9jO7x0Ie
自分用メモ https://t.co/TOXJM5TsrN この話 https://t.co/aVa6AK7z1g とくっつけると、日本は昔からそこそこ不平等だったが21世紀初頭にかけて下方社会移動が増加し移動のあり方が変わったので不平等に目が向くようになった、ということ?

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