著者
勝又 正直
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.294-306, 2010-12-31 (Released:2012-03-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

ある看護系学部の社会学教員の体験から次のような経験知が得られる.看護師は患者を人間として理解し,その理解に基づいて看護しようとする.この目的のために,看護学では他の学問のさまざまな概念を用いて,患者の問題を看護診断として分類している.さらに,看護理論家は他の学問のさまざまな理論を導入して看護を1つの人間学へと高めようとしている.医療社会学は,医療の世界,あるいは医療が社会においてはたす機能に焦点をあてている.それに対して,看護は,患者を理解し看護するために,患者が属している社会に関心をもつ.看護学生に必要なのは,患者を人間として理解するための,社会学的想像力である.その社会学的想像力は,特殊な応用社会学である医療社会学よりも,むしろ普通の元来の社会学によってより養われるのである.

言及状況

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「看護師の社会化」だと思う。 看護の対象は人間と学びながら、就業するとその就業範囲の活動に留まってしまう人も多い。 社会想像力を醸成し成長できる看護職が増えれば、社会貢献する職種としてさらに認められると期待します。 勝又正直先生の提言↓その通りだと思います。 https://t.co/IQUqDlgNj3 https://t.co/k6nz40sl0Y
『看護系専門職養成課程のなかの社会学』 社会学評論, Vol.61, No.3 (2010), PP. 294-306 勝又 正直 https://t.co/B5RTapL0PY

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