著者
鹿又 伸夫
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.156-170, 1996-09-30 (Released:2010-05-07)
参考文献数
20

予言の自己成就は, 行為者の誤った状況規定がもたらす現象と考えられてきた。しかし, 弱い合理性 (主観的合理性) によって説明可能だとする指摘もある。そこで, 弱い合理性を含む4変数をもちいてブール代数分析による思考実験をおこない, 行為レベルにおける因果メカニズムを演繹的に検討した。その結果, 予言の自己成就現象は, 誤った状況規定をもちいずに, 弱い合理性と情報の受容によって説明可能であった。またマートンの説明を修正することで予言の自己成就を, 行為者の利害を脅かす内容の予測情報に接触するという特定条件下での社会的ジレンマとして一貫して描けた。

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予言の自己成就問題というもの初めて知ったけど、現在維持バイアスにおけるやらない/できない理由を探す根底的問題という感じ。 https://t.co/Sq4XZ3sYBv
トイレットペーパー買い占め現象は「多元性無知」ではなく「予言の自己成就」による現象なのでは。 https://t.co/KNzxx8C2hF https://t.co/66TdzMzadq
それっぽいのあった https://t.co/S1OrbPWIs2
@SeinhoherGang https://t.co/uzkPUPKkJZ
このへんのを思い浮かべてた./ 鹿又伸夫,1996,「『予言の自己成就』と合理性――ブール代数分析による思考実験」『社会学評論』(47)2 https://t.co/0TkqazahB6

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