著者
吉岡 常雄 上野 民夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:24326542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.488-491, 1985-12-20 (Released:2017-09-15)

近代化学工業はW.H.Perkinによるモープ紫(最初の合成染料)の発見に始まり(1856年), K.Graebeによるアリザリン(西洋茜(あかね)の色素)の合成(1867年), A.von BaeyerとHeumannによるインジゴの合成(1890年)によって, 最初は染料工業として確立された。けれども人類は, 太古から三千余種にも及ぶ草根木皮や動物色素を用いて布皮を染め, 装飾や服飾に用いてきた。昨今合成染料の普及はめざましいが, 今ここに天然染料について化学的に考察することは, 近代化学のルーツばかりか人類の遺産を知る上でも重要と考える。今回は数多い天然染料の中から, 帝王紫と呼ばれるロマンに富んだ古代の紫染めの世界に招待したい。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (3 users, 3 posts, 5 favorites)

出典:科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE) 「天然染料と染色 : 古代の紫を中心に(化学への招待)」 著者:吉岡 常雄, 上野 民夫 https://t.co/2B3lNjy8Ii 現在 で は 紫根は 岩手県南部地方 や 北 海道 で 生 産 され 染料 ・薬物 と しての 需要 を まか な っ て い る #染料 #歴史 https://t.co/ot672R5LEY
故吉岡常雄氏の貝紫染めレシピっぽいものが、化学教育にある。 https://t.co/qEjPApm6yd これみると、プリニウスレシピと同じく、鰓下腺の塩漬けを還元尿建てしたらしい。

収集済み URL リスト