著者
冨田 友貴 井上 正之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.584-587, 2017-11-20 (Released:2018-05-01)
参考文献数
15

アミノ酸やタンパク質に含まれる硫黄の検出法として,水酸化ナトリウムを加えて加熱した後,酢酸鉛(Ⅱ)水溶液を加えて硫化鉛(Ⅱ)の生成による黒色を観察する方法が知られている。しかしこの方法によって硫黄が検出されるアミノ酸(残基)にメチオニンが含まれるか否かに関する教科書の記述は曖昧である。今回我々は,高濃度の水酸化ナトリウム水溶液中,30分間加熱を行う条件で上記反応の適用範囲について調べた。また新たに,固相での熱分解によってメチオニンまでをカバーする簡易な検出法を開発した。

言及状況

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>タンパク質水溶液に水酸化ナトリウムを加えて加熱したのち、酢酸で中和し、酢酸鉛(Ⅱ)を加えると黒色沈殿が生じる。 これはタンパク質中のシステイン(及びシスチン)の検出反応です。メチオニンは硫黄原子にメチル基がついているので硫化水素に変化しにくく、この方法では検出できません(検出には金属ナトリウムを用います)。したがって、ゼラチンなどの、メチオニンを含むがシステインをほとんど含まないタンパク質では ...
アミノ酸の硫黄検出法には溶液法と固相法の2種類があります。 結論から言うと、高校化学に記載されている方法(溶液法)では、メチオニンを持ちいても、黒色には変色しません。 しかし、固相法で試験を行ったところ、メチオニンを用いた際に黒色に変色したと記載があります。 高校教科書に記載されている硫黄反応の問題点や、溶液法・固相法の実験過程が記載されているので、こちらを読んでみてください。 分 ...

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ふと「硫黄を含むアミノ酸を検出する反応って何だっけ?」って思ってググったら、その昔高校化学の授業で習った方法で検出できるのはシステインだけで、メチオニンは一工夫必要だということを学んだ https://t.co/nZREpdiam7
赤本の解説が間違ってたのとは関係ないけど軽く調べたら他の箇所で東大の問題自体にも疑惑が…こういうこと気になり出したらきりなさそう https://t.co/osk90vIGGO
硫黄反応(タンパク質の検出反応のひとつ)で、システイン,シスチンは黒色沈殿を観察できるけれどメチオニンはできない、というのは何で?? 一応方法はあるらしいけれど、塩基性下で普通に加熱処理するだけでは無理だって(記載論文の図3)。 https://t.co/63wLbhYHO1

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