著者
冨田 友貴 井上 正之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.584-587, 2017-11-20 (Released:2018-05-01)
参考文献数
15

アミノ酸やタンパク質に含まれる硫黄の検出法として,水酸化ナトリウムを加えて加熱した後,酢酸鉛(Ⅱ)水溶液を加えて硫化鉛(Ⅱ)の生成による黒色を観察する方法が知られている。しかしこの方法によって硫黄が検出されるアミノ酸(残基)にメチオニンが含まれるか否かに関する教科書の記述は曖昧である。今回我々は,高濃度の水酸化ナトリウム水溶液中,30分間加熱を行う条件で上記反応の適用範囲について調べた。また新たに,固相での熱分解によってメチオニンまでをカバーする簡易な検出法を開発した。
著者
佐藤 和則 井上 正之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.356-359, 2018-07-20 (Released:2019-07-01)
参考文献数
5

加圧を伴わないサリチル酸の合成(コルベ法)の実験教材化を検討した。ナトリウムメトキシドを塩基としてセライト中でナトリウムフェノキシドを調製することで,中和における水の生成を回避しながら二酸化炭素との反応を円滑に進行させた。またセライト中でサリチル酸を遊離させて昇華することで,サリチル酸と残留フェノールとを分離した。得られたサリチル酸は,塩化鉄(Ⅲ)水溶液および炭酸水素ナトリウム水溶液との反応で検出した。
著者
冨田 友貴 井上 正之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.132-135, 2016-03-20 (Released:2017-06-16)

現行の高等学校「化学」の教科書におけるキサントプロテイン反応に関する記述には,本反応が観察されるタンパク質やアミノ酸の構造,および実験条件の記述に相違がある。今回我々は,芳香族アミノ酸を基質として,濃硝酸および二分の一の濃度に希釈した硝酸水溶液によるキサントプロテイン反応を行い,ニトロ化の進行について調べた。また側鎖に酸性の官能基をもたないフェニルアラニンが,ニトロ化された後に塩基性水溶液中において色調の変化を示す理由を調査した。
著者
増田 泰大 今野 貴幸 井上 正之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.434-437, 2020-10-20 (Released:2021-10-01)
参考文献数
21

高等学校「化学」の教科書に記述されているフェーリング液の還元とベネジクト反応について,モデル化合物および単糖を用いて還元性の原因となる構造を調べた。その結果,グルコース,マンノースおよびフルクトースにおいてα-ヒドロ-α-ヒドロキシカルボニル構造-CH(OH)CO-がこれらの試薬との反応の原因となる構造であることを示す結果が得られた。
著者
鬼頭 真弓 長谷川 將 井上 正之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.82-85, 2013-02-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
4
被引用文献数
1

キチンに担持させた金(III)化合物を用いる,還元性有機化合物の検出における反応条件を再検討した。反応時に用いる塩基を従来の炭酸ナトリウムから炭酸アンモニウムに変えることで,金ナノ粒子の生成による呈色が鮮やかな色調に変化した。またキチンに担持させる金(III)化合物の量を従来の五分の一まで減少させることができた。さらに,銀鏡反応やフェーリング液の還元では検出が困難であったギ酸エステルの還元性も検出できることが明らかとなった。
著者
井上 正之 田中 昭二 石若 通利 井上 誠喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.96, no.306, pp.25-30, 1996-10-17
被引用文献数
7

従来から, ファッションやカラーデザイン等の分野では, 色から受ける印象について様々な調査が行われてきている. しかしながら, 色単独にではなく, 画像内容と込みでということになると比較的検討例は少なく, 自然画像となるとほとんど見当たらない. そこで本稿では, 自然画に色フィルタを用いて着色した画像を用い, 色と画像内容との交互作用について検討した. その結果, 両者はお互いの印象に密接に関わりあっていることがわかった.
著者
井上 正之
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.212-215, 1990-04-20