著者
山本 圭
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.2_82-2_99, 2020 (Released:2021-12-15)
参考文献数
34

本論文の目的は、民主主義論においてほとんど忘却されてきた指導者の存在を、位置付けなおすことである。それは必定、これまでの自由民主主義論を再評価することを伴うだろう。というのも、20世紀の自由民主主義論は、開かれた市民社会や市民の自発性をある程度前提にすることで、おおむね指導者の問いを抑圧ないし迂回してきたからである。しかし、多くの論者が指摘するように、民主的リーダーシップ (democratic leadership) の問題にはそれ固有のジレンマが伴っている。すなわち、民主主義が市民のあいだの政治的平等を求めるのに対し、リーダーシップは指導者とフォロワーのあいだに不平等な関係を持ち込んでしまうのである。本論文では、このジレンマを解決しようとするいくつかの試みを検討しつつ、指導者の問いをデモクラシーの議論に連れ戻すこととしたい。それは自由民主主義にとって脅威であるばかりでなく、それを深化するための手がかりにもなるはずである。

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