著者
寺倉 清之
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.965-970, 2000-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
50
被引用文献数
2

20世紀における科学技術の進歩のうちで,最もめぎましいものの一つが計算機の進歩である.計算機は理論研究における一つの道具としての巨大な算盤の役目から,計算物理という,実験と理論に並ぶ第Bの物理研究手法の基盤の役目へと昇格した.計算物理は解析的に解けない多くの問題への,客観的で近似なしの解を与えるということにより,予想外の結論へと導いてくれることがある.また,自然を解き明かすという立場から,設計し加工するという立場へと変化しっつある今後においては,計算物理がよりいっそうの重要な役割を演ずることになろう.

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仮に計算物理という言葉にこだわるならば、最初に使ったのは久保亮五先生になりそうだ。『報告書のタイトルが「物性研究と計算物理」となっている。久保先生の書かれた前書きによると、この報告書は1982年7月25日に行われた「コンピューター物性」という研究会の記録である』 https://t.co/iIRYw9sgtr
@y_mizuno 「応用物理」2000年に、寺倉先生(当時産総研)の簡単な歴史と展望が書かれています。私もいつ頃から使い始めたのかうろ覚えだったのですが、「スーパーコンピュータ」という名前の一般化と軌を一にしているような気がします。 https://t.co/YMusUT0eKg

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