著者
上田 皐介 稲垣 勉 山形 伸二 加藤 弘通
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.57-68, 2023-07-18 (Released:2023-07-18)
参考文献数
16

本研究は,外向性・内向性を印象づける自己呈示の前後で呈示者の顕在的・潜在的外向性に変化が生じるか,および公的状況(隣室に他者がいて,その人に個人情報を伝えたうえで自己呈示する)と私的状況(録音のみで個人情報も明かさずに自己呈示する)でその変化の大きさが異なるかを検討した。62名の参加者を2(呈示特性:外向性・内向性)×2(状況:公的・私的)の4条件に無作為に割り当てた。顕在的・潜在的外向性のそれぞれについて,測定時点(自己呈示前・後)を個人内要因とする3要因の分散分析を行った。その結果,潜在的外向性についての測定時点の主効果のみが有意であり,自己呈示は呈示特性,状況にかかわらず潜在的外向性を高める一方,顕在的外向性には影響しないことが示された。潜在的外向性に変化が生じたメカニズムや先行研究との結果の不一致が生じた理由,特に直前の測定が顕在的外向性の変化を抑制した可能性について考察した。

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