著者
上田 敏丈 秋田 喜代美 芦田 宏 小田 豊 門田 理世 鈴木 正敏 中坪 史典 野口 隆子 淀川 裕美 森 暢子
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.67-79, 2020 (Released:2020-12-08)
参考文献数
29

日本では,約1万の幼稚園があり,その内の70%が私立幼稚園である。私立幼稚園の多くは,ファミリービジネスであり,園長は経営者としての役割も担っているため,保育の質の向上には,実践面の役割を担う主任教諭の役割は重要である。そこで本研究では,私立幼稚園の主任教諭が自身のリーダーシップをどのようなものとして捉え,また自身の役割をどのようなものとして認識しているのか,そこでの主任教諭としてのやりがいや葛藤はどこにあるのかを明らかにすることを目的とする。私立幼稚園の主任教諭8名に対してインタビューを行い,質的データ分析方法であるM-GTA(木下2003)を用いて分析を行った。その結果,25の「分析概念」,9つの[カテゴリー],3つの〈コア・カテゴリー〉が生成された。主任は,園長と職員集団との意思疎通を図り,それぞれの意図を伝達する〈つなげる〉ことと,カリキュラムの調整や職員への指導,心理的支援といった職員集団を〈まとめる〉ことをリーダーシップと捉える一方で,この2つのリーダーシップの間で,やりがいと共に葛藤の〈板挟み感〉を感じていることが明らかとなった。

言及状況

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私立園がファミリービジネスだから起こる画一化を防ぐ立場でもある主任教諭の役割も、経営や教育理念を健全に保つ上では非常に大事だと思います。 経営陣がミドルリーダーの役割を理解して信頼できるかです。 私立幼稚園における主任教諭のリーダーシップに関する研究 https://t.co/GOI4Xle6Z6

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