著者
渡邉 敬浩 片岡 洋平 荒川 史博 松田 りえ子 畝山 智香子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.7-16, 2020-02-25 (Released:2020-04-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1

トータルダイエットスタディ(TDS)は,食事を介した化学物質の摂取量推定に有効な方法論であり,有害物質の摂取量推定にも用いられる.TDSにおける試料の分析には,摂取量推定の目的に合致した方法を選択すると同時に,その妥当性を確認することが勧告されている.しかし,妥当性確認に必要な具体的な考え方や方法論は示されていない.そこで本研究では,まず摂取量推定の目的で使用される分析法の性能を評価可能な試料(Samples to estimate methods performance; SEMPs)を開発した.次いでヒ素やカドミウム,鉛を含む元素類の摂取量推定の目的で使用する一斉分析法の妥当性を確認するために,SEMPsにおける各元素濃度を明らかにした.さらに,明らかにした各元素濃度を考慮した添加量を決定し,添加試料と未添加試料のそれぞれを5併行分析した結果から真度と併行精度を推定する,分析法の性能評価方法を確立した.性能評価によって推定した真度と併行精度をCodex委員会のProcedural Manualに収載されているガイドラインに基づき設定した性能規準と比較した結果,検討した一斉分析法が対象とする14元素と14食品群の組合せの多くで性能規準の値を満たしたことから妥当性を確認した.

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