- 著者
-
山下 祐介
- 出版者
- 東北社会学会
- 雑誌
- 社会学年報 (ISSN:02873133)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, pp.65-74, 2014-07-25 (Released:2015-08-24)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
3
本稿では,1995年に生じた阪神・淡路大震災と,2011年東日本大震災について,ボランティア・支援・復興の各側面における検証を試みる.95年阪神・淡路大震災はボランティア革命とも言われ,その後の日本の市民活動活発化の起因となった.今回の東日本大震災は,この市民活動領域の形成が市民社会を日本にもたらしたのかを知る機会であったと言える.本稿では,とくに福島第一原発事故をめぐる復興政策および支援活動の中でその検証を行う.今後,日本的な市民社会が形成されるための条件として,地方自治の確立,科学の適切な政策利用,これらをふまえた市民活動の政治的作動が必要になると議論した.