著者
西澤 昭 田原 靖昭 湯川 幸一 網分 憲明 小原 達朗
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衞生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.37-47, 1998-01-31

体組成を求める算定式に身体密度は不可欠である.しかし算定式が確立しているわけではなく,用いる算定式によって同じ身体密度でも体脂肪率が異なることになる.特に児童,生徒の年齢では,除脂肪組織の比重が成人より小さいという報告もあり,そのまま成人の算定式にあてはめると問題の生じる可能性がある.そこで本研究では身体組成算定の基礎になる身体密度に関する問題を検討するための試みとして身体密度を年齡別にもとめ詳細に検討した. 身体密度の測定は水中秤量法によった.被験者は10歳(小学4年生)から18歳(高校3年生)の男子268名と女子332名の計600名であった.加齢と身体密度の関係をみると男子では年齢が大きくなるにつれ身体密度が大きくなる傾向にあったが,女子では逆に身体密度は減少する傾向がみられた.この時期の男子では密度の大きい除脂肪量が増加すること,および女子では逆に密度が小さい脂肪量の増加が顕著なことに起因していることが考えられた. 男子の10歳から18歳までの各年齢間で身体密度の平均値を比較すると最小が1.0530g/ml(11歳)で最大が1.0695g/ml(14歳)であった.女子は最小が1.0415g/ml(16歳)で最大が1.0530g/ml(13歳)であった. 小児期では,除脂肪組織の密度が成人とは異なることや脂肪量と除脂肪量の増加の傾向が男女で異なることなどから,この年代について身体組成を求める推定式を明らかにする必要性が示唆された.

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