著者
小林 正子 竹本 泰一郎 田原 靖昭 田川 宜昌 東郷 正美
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衞生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.309-316, 1995-11-30
参考文献数
13
被引用文献数
12
著者
綱分 憲明 田原 靖昭 湯川 幸一 千住 秀明 勝野 久美子
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.339-349, 1993-08-01

全国高校体育大会の女子バレーボール準優勝チーム (1988.10) 及び優勝チーム (1989.8) の九州文化学園高校選手計24名の体格, 身体組成, VO<SUB>2</SUB>max及びO<SUB>2</SUB>debtmaxを測定した.また, 同時に11ケ月間のトレーニング効果について5人を対象に検討した.得られた結果の概要は次の通りである.<BR>1.身長及び体重の平均値は, 168.3±5.22cm, 59.82±4.93kgであった.<BR>2.皮脂厚和 (8部位) の平均値は, 109.1±20.72mmであり, 一般高校生のおよそ82%であった.<BR>3.%Fatの平均値は, 17.9±3.19%で一般高校生のおよそ77%であり, LBM及びLBM/Htの平均値はそれぞれ49.03±3.64kg, 29.13±1.95kg/mであった.<BR>4.体重当たりのVO<SUB>2</SUB>max及びO<SUB>2</SUB>debtmaxの平均値は, それぞれ45.7±3.35m1/kg・min, 94.8±14.79m1/kgであった.<BR>5.同様に測定した長崎県内ベスト4チーム選手値の平均は, %Fatで22.0±3.66%, VO<SUB>2</SUB>maxで42.4±5.30m1/kg・min, O<SUB>2</SUB>debtmaxで70.5±10.27m1/kgであった.<BR>6.高校トップレベルチーム選手は, 県高校ベスト4チーム選手に比べ, %Fatは有意に低く, VO<SUB>2</SUB>max及びO<SUB>2</SUB>debtmaxは有意に優れていた.<BR>7.%Fat及びVO<SUB>2</SUB>maxは, 我が国の大学, 実業団あるいは全日本レベルとほぼ同等値であった.<BR>8.11ケ月間のトレーニングにより, VO<SUB>2</SUB>max (m1/kg・min) で有意な向上が見られ, その伸びはおよそ8%であった.なお, %Fat, LBM及びO<SUB>2</SUB>debtmaxでは, 有意な差は見られなかった.<BR>以上のことから, 九州文化学園高校チーム選手は, 全国インターハイで優勝, 準優勝という成績を収めるに必要な優れた身体組成, 有酸素的体力及び無酸素的体力をトレーニングを通して有していた.また, 資質に恵まれた選手が多く入部することも高い競技力に貢献している.
著者
中尾 理恵子 田原 靖昭 石井 伸子 門司 和彦
出版者
長崎大学
雑誌
保健学研究 (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.59-65, 2007-10

A大学1年次生と2年次生の健康診断時に喫煙状況,ニコチン依存度(Fagerstrom Tolerance Questionnaire, FTQ),タバコに関連する疾患の知識,他の人の喫煙への認識を質問調査した。男子学生では「毎日喫煙する」者の割合は,1年次生15.5%(124/799),2年次生20.9%(127/607),女子学生では1年次生1.6%(10/639),2年次生2.4%(13/545)であった。18〜21歳の男子学生で「毎日喫煙する」242名のうち,94名(38.8%)は18歳未満で喫煙を開始していた。18歳未満開始群は,1日の喫煙本数が16.5(SD6.3),FTQが5.4(SD1.4)であり,18歳以降開始群の1日喫煙本数とFTQよりも有意に高かった(ともにp<0.05)。タバコ関連疾患の知識は,肺癌以外は低い認知であり,全項目で18歳未満開始群が高い認知であった。中学生や高校生の喫煙をやめるべきと考えているのは18歳開始群が高値であり,その他,将来の結婚相手や医師・看護師・教師などの喫煙をやめるべきと答えたのは18歳未満開始群が高い割合を示した。18歳未満開始群,18歳以降開始群ともに80%以上のものが将来的に禁煙を希望しており,大学としての禁煙教育と支援については,1. 18歳未満開始群をはじめとした喫煙者に対する禁煙支援対策と 2. 18歳以降開始群をはじめとした大学に入ってから喫煙を始める者への喫煙予防対策の両方が大切であることが明らかとなった。
著者
田原 靖昭 綱分 憲明 西澤 昭 湯川 幸一 森 俊介 千住 秀昭
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.198-206, 1990

全国サッカー優勝チーム (1988.1) , 準優勝チーム (1987.1) を含む46名を4期に分けて, 体格, 身体組成, Vo<SUB>2</SUB>max, Max O<SUB>2</SUB>debtを測定した.得られた結果の概要は次の通りである.<BR>A.身長の平均値は, GK17&9±5.7cm, FW172.5±3.6cm, MF171.9±6.2cm, DF172.5±5.3cmであった.体重はそれぞれGK72.5±4.0kg, FW66.8±6.1kg, MF64.4±6.3kg, DF64.3±3.8kgであった.<BR>3.皮脂厚和 (8部位) の平均値は, 63.5±14.3mmであった.GKは7&5±12.6mmであった.<BR>C.%Fatは, GKが14.3±3.9%, 他のポジションは8.2~10.4%であった.LBM/Ht (kg/m) は, 全員 (N=46) の平均値で34.2±2.5kg/mであった.<BR>D.Vo<SUB>2</SUB>maxの全員の平均値は, 60.0±5.6m<I>l</I>/kg・minで, MF62.7±4.6m<I>l</I>, DF60.5±5.3m<I>l</I>, FW58.7±5.3m<I>l</I>, GK54.3±5.7m<I>l</I>であり, MFが最も高かった.<BR>E.Max O<SUB>2</SUB>debtは, 平均値で124.8±19.2m<I>l</I>/kgであった.中でもFW133.1±14.5m<I>l</I>, GK126.1±8.1m<I>l</I>で高かった.<BR>F.国見高校選手のVo<SUB>2</SUB>max, Max O<SUB>2</SUB>debt, LBM/Htが高かったのは, その年間を通して競技の特性を踏まえた体力トレーニング・練習内容と多い試合数 (年間130試合前後) に負うところが大であった.また, 資質の優れた選手が多く入部することも高い競技力に貢献している.
著者
浦田 秀子 西山 久美子 勝野 久美子 福山 由美子 田代 隆良 田川 泰 田原 靖昭
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.43-48, 2001-12
被引用文献数
1

女子学生573名を対象に,BMIおよび体脂肪率(%Fat)による体型と体型認識との関係を検討した.BMIと%Fatとの間には相関係数0.741で高い相関関係があったが,BMIは普通群であるが%Fatが28%以上の者,いわゆる"隠れ肥満者"が35名含まれていた.隠れ肥満者は全対象者の6.1%,肥満者の71.4%であった.隠れ肥満は生活習慣との関連が高く,生活習慣の改善や,身体組成,脂肪分布を考慮した体型評価が重要である.また,「太っている」と認識している者は409名(71.3%)であった.BMIでは16から,%Fatでは16%から「太っている」と認識している者がおり,体型と認識との間に乖離がみられた.約9割の者は理想体重を現体重より低く設定しており,理想体重によるBMIは19.0であった.現代の若年女性はやせ願望が強く,誤った体型認識による健康障害を予防するためにも,医学的根拠に基づいて適正に体型認識ができるような健康教育が重要である.We examined 573 female students and analyzed the relation of the physique and the recognition of it, by body mass index (BMI) and percent body fat (% Fat). There was high correlation between BMI and %Fat by the coefficient correlation of 0.741. However, among these group with BMI in normal range, there were 35 girls whose %Fat were more than 28%, so called masked obesity. The masked obesity was 6.1% of all the object and 71.4% of the obese group (% Fat≧28%). As masked obesity is associated with the life habits, it is important to improve of the life habits, and to recognize the appropriate physique in consideration of body composition and fat distribution. And, 409 girls (71.3%) regarded themselves as overweight. Some girls with BMI of more than 16, and %Fat of more than 16 regarded themselves as overweight, thus there was disparity between the physique and the awareness. About 90% of the girls regarded their ideal body weight lower than the actual weight, and BMI by the ideal body weight was 19.0. As modern young girls have a strong desire to be thin, health education, which leads them to an appropriate recognition based on the medical basis is important to prevent health disturbance caused by the inappropriate recognition of their physique.
著者
西澤 昭 田原 靖昭 湯川 幸一 網分 憲明 小原 達朗
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衞生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.37-47, 1998-01-31

体組成を求める算定式に身体密度は不可欠である.しかし算定式が確立しているわけではなく,用いる算定式によって同じ身体密度でも体脂肪率が異なることになる.特に児童,生徒の年齢では,除脂肪組織の比重が成人より小さいという報告もあり,そのまま成人の算定式にあてはめると問題の生じる可能性がある.そこで本研究では身体組成算定の基礎になる身体密度に関する問題を検討するための試みとして身体密度を年齡別にもとめ詳細に検討した. 身体密度の測定は水中秤量法によった.被験者は10歳(小学4年生)から18歳(高校3年生)の男子268名と女子332名の計600名であった.加齢と身体密度の関係をみると男子では年齢が大きくなるにつれ身体密度が大きくなる傾向にあったが,女子では逆に身体密度は減少する傾向がみられた.この時期の男子では密度の大きい除脂肪量が増加すること,および女子では逆に密度が小さい脂肪量の増加が顕著なことに起因していることが考えられた. 男子の10歳から18歳までの各年齢間で身体密度の平均値を比較すると最小が1.0530g/ml(11歳)で最大が1.0695g/ml(14歳)であった.女子は最小が1.0415g/ml(16歳)で最大が1.0530g/ml(13歳)であった. 小児期では,除脂肪組織の密度が成人とは異なることや脂肪量と除脂肪量の増加の傾向が男女で異なることなどから,この年代について身体組成を求める推定式を明らかにする必要性が示唆された.