著者
加藤 重広
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.27, pp.19-82, 1997

日本語の日常会話では,本来助詞が存在するような位置に助詞が現れない発話が頻繁に見られる。一般に日本語の場合,動詞と意味上関わりを持つ名詞(句) は格助詞を後接させてその意味的関係を明示できる。そして,動詞の意味的特質と関連させて,格助詞の意味や用法の記述をすることも行われている。本論文では,本来助詞が現れてしかるべき位置に助詞が現れない場合について考える。助詞がないという現象も実は単純なものではなく, いくつかのパターンに分けて考えることが可能である。そのうち、助詞が出現しないことが義務的である場合や逆に無助詞では非文となる場合などを検討しながら,その実態を考えていく。本稿では本来格助詞などの助詞があるべきところに助詞を欠くものを一括して〈ゼロ助詞〉と呼ぶことにする。また,本稿は主としてこの〈ゼロ助詞〉の談話における機能を明らかにすることを目的とする。

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ゼロ助詞の問題も似たような構造なのだろうかと思って調べたけれど、加藤重広先生が1997年には指摘してるのでSNSの影響はない https://t.co/6wcXIvnICU
CiNii 論文 -  ゼロ助詞の談話機能と文法機能 https://t.co/UNQZrMz6r6
「今」「昨日」など時を表す名詞に助詞を付けると不自然になるのは不便なんだよなあ。読点が多くなってしまう。 CiNii 論文 -  ゼロ助詞の談話機能と文法機能 https://t.co/oWiqeHrWL8 #CiNii

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