著者
加藤 重広
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究院紀要 (ISSN:24349771)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.35-49, 2020-12-18

本論は,広義の言語研究の一環として収集されたデータや関連資料がどのような危機にあるか,また,それらのデータや資料(以下,言語データ)を継承・保存する上でどんな課題があるか,また利活用に際して遵守すべき研究上の倫理とはどのようなものなのか,について論じるものである。
著者
加藤 重広
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.19-41, 2006-07-20
著者
加藤 重広
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.27, pp.19-82, 1997

日本語の日常会話では,本来助詞が存在するような位置に助詞が現れない発話が頻繁に見られる。一般に日本語の場合,動詞と意味上関わりを持つ名詞(句) は格助詞を後接させてその意味的関係を明示できる。そして,動詞の意味的特質と関連させて,格助詞の意味や用法の記述をすることも行われている。本論文では,本来助詞が現れてしかるべき位置に助詞が現れない場合について考える。助詞がないという現象も実は単純なものではなく, いくつかのパターンに分けて考えることが可能である。そのうち、助詞が出現しないことが義務的である場合や逆に無助詞では非文となる場合などを検討しながら,その実態を考えていく。本稿では本来格助詞などの助詞があるべきところに助詞を欠くものを一括して〈ゼロ助詞〉と呼ぶことにする。また,本稿は主としてこの〈ゼロ助詞〉の談話における機能を明らかにすることを目的とする。
著者
加藤 重広
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.122, pp.97-155, 2007-07-10
著者
加藤 重広
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.126, pp.93-117, 2008-11-28
著者
加藤 重広
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.31-64, 1997-03-21

日本語の数量詞(quantifier)に関する問題はこれまで様々なかたちで考察されてきており,論点は整理されてきたように見える。①子豚が三匹いました。(NCQタイプ)②三匹の子豚がいました。(Q-no-NC タイプ)③子豚三匹がいました。(NQCタイプ)。本稿では,まず「数量詞」の様々な形を網羅的に議論できるように,その用語を定義することから始める。「数量詞」の定義は単純なようで厄介な問題を含んでおり,数量詞分析のアプローチに直結する問題も含んでいるので,避けて通るわけには行かない。その後で,まずNCQタイプの数量詞(遊離数量詞)の性質について多角的に分析を試みる。次に,Q-no-NCタイプの数量詞文(連体数量詞文)の意味とNCQ夕イプの数量詞文(遊離数量詞文)の意味の違いを分析する。これら連体数量詞と遊離数量詞の差異は,従来の意味統辞的な準位だけでなく,談話文法のレベルでの分析が必要である。多くの例文に当たりながら,話者の認知がいかに反映されるかについて,一つの仮説を示し,あわせてその検証を行う。
著者
加藤 重広
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-12, 1998-08-31

Saussure(1916)に示された,signifiantとsignifieの結合によって言語記号が構成されるという考え方は,現在でも言語学の基本的知見のひとつである。本稿では,ソシュール以前のシニフィアンとシニフィエをめぐる考え方、いわば意味観の流れを素描する。その中でもWilhelm von Humboldtの意味観をソシュール以前の言語研究の典型として,ソシュールのそれと比較して論じる。また,ソシュールの考えを継承しつつ,独自に発展させたラカンの思想にも触れる。本稿では,具体的なテーマを論じる前に,まず第1章で言語学史の意義と方法論を簡略に論じる。ついで,第2章で,シニフィアンとシニフィエをめぐる意味観の流れを考察することにする。
著者
加藤 重広
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.71-156, 1999-08-27

本稿は、先行研究の概要とその問題点について論じた前回稿、加藤重広(1999)を承けて、日本語の関係節構造の成立要件は文法論的な要因のみでは説明できず、語用論的な観点からの分析が必要となるという立場をとり、2つの観点からの分析を行うものである。