著者
杉山 法子 鈴野 弘子 三好 恵真子 澤山 茂 川端 晶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.315-326, 1993-11-20
被引用文献数
5

イメージ調査と官能検査を行い野菜の官能特性の評価について検討した。1.イメージ調査の料理に関する項目では、肉類あるいは他の野菜類との組み合わせが多くイメージされたが、野菜によっては特徴を示すものがあった。健康・栄養に関するイメージは、ビタミン類、食物繊維、低エネルギーという項目が多く、調査対象の学生はより確かな知識を持っていることが認められた。生野菜の嗜好特性におけるテクスチャーのイメージでは、「サクサク」、次いで「パリパリ」、味では「苦い」、香りでは「青くさい」、色では「白」が1位にイメージされたが、加熱するとテクスチャーでは「やわらかい」、味では「甘い」、香りでは「香りがない」、色では生と同様「白」であった。また、強くイメージする野菜の嗜好特性は、生および加熱野菜ともテクスチャーであり、野菜を感覚的に評価する基準となっていることが認められた。2.官能検査の結果、野菜は加熱することによりテクスチャーの項目が著しく変化することが認められた。因子分析の因子の意味づけでは、生野菜の第1因子は味、第2因子は色、第3因子はテクスチャーで第3因子までの累積寄与率は80.6%であった。同様に加熱野菜の第1因子はテクスチャー、第2因子は香り、第3因子は色で第3因子までの累積寄与率は85.1%であった。本報告の概要は1992年9月平成4年度日本調理科学大会において発表した。

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