著者
門林 理恵子 西本 一志 角 康之 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.980-989, 1999-03-15
被引用文献数
4

博物館の展示は 学芸員の専門知識や関心の体系的表現であるが ある視点からの構造化の一実現例であり しかも一方的に見学者に提示される. このため 様々な興味や知識を持つ見学者の知的欲求をつねに満たすことは難しい. そこで本論文では 学芸員と見学者を仲介し 博物館展示の意味的関連に基づく構造を見学者ごとに個人化する手法を提案する. 本手法では 展示物などに付与される説明文を キーワードを基に統計処理することで 展示物間の関連に基づく構造を2次元空間に可視化する. まず元の展示の構造を示す展示空間を構成し 次に見学者の興味に基づく興味空間を作る. 最後に両者を融合して個人化空間を作成する. 個人化空間に可視化された展示の構造は 学芸員の視点からの関連を保持しつつ 同時に見学者の視点を反映したものとなる. こうすることにより 既存の 見学者の立場を中心とした個人化手法における 展示が断片化して関連が失われ かえって理解が困難になるという問題を回避することができる. これらの空間を用いることで 同じ展示を見学者ごとに個人化することが可能となる. さらに これらの空間が学芸員へもフィードバックされることにより 学芸員自身が展示についての新たな視点を獲得できるが これは従来の博物館の展示や既存の個人化手法では困難であったものである. 本論文では 本手法の詳細とその実施例 さらに評価についても述べる.Museum exhibitions are thought to be well organized representations of the expert knowledge of curators, but they are just one example of structures of knowledge among many possibilities, given to museum visitors in a one-sided way. Therefore, traditional museum exhibitions can hardly meet the vast requirements of general visitors who possess a variety of interests. In this paper, we propose a method for personalizing the semantic structure of museum exhibitions by mediating curators and visitors. The semantic relations of displays are visualized as a two-dimensional spatial structure based on the viewpoints of the curators and visitors separately, and then together. The structures reflect the interests of the visitors, while maintaining the knowledge of the curators. We disucuss the detail of the method and show an example of personalization. Evaluation results through a subjective experiment is also given.

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【CiNii論文】学芸員と見学者を仲介して博物館展示の意味構造を個人化する手法の提案 http://t.co/ASc5JKPS

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