著者
臼井 翔平 鳥海 不二夫 石井 健一郎 間瀬 健二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

2011年の東日本大震災はソーシャルメディアに大きな影響を与えた.その中でもTwitterは,その性質を大きく変貌させ,情報の拡散に大きく貢献した.これらのソーシャルメディアは災害時の情報源として期待されている.本研究では,Twitterのコミュニケーションによるネットワークの構造変化がTwitterでの情報伝播にどのように影響するのかを分析する.変化したネットワークは情報伝播しやすくなっていた.
著者
西本 一志 渡邊 洋 馬田一郎 間瀬 健二 中津 良平
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1556-1567, 1998-05-15
参考文献数
13
被引用文献数
7

音楽との能動的な接し方の特徴は,自分なりの音楽表現という創造性の発揮にある.しかし現実には音楽理論や楽器操作技術の困難により,多くの人は能動的な音楽との接触を諦めている.筆者らは,これらの困難を計算機で支援することにより,だれでも容易に創造的音楽表現に取り組める楽器の実現を目指している.本論文では,そのための一手段として,音機能固定マッピング手法を提案する.従来の楽器は音高を演奏インターフェース上の固定ポジションにマッピングする音高固定マッピング型の楽器であった.しかし,音には音高以外の属性があり,その1つとして,音楽的環境に応じて個々の音が人に様々な情動的作用を与える,機能という属性がある.音機能固定マッピングとは,常時一定の演奏ポジションに一定の機能を持つ音をマッピングする手法である.ある音の機能の判定には音楽理論に基づく解析が必要であるが,この手法によれば,演奏者は必要な機能を持つ音を理論的解析を行うことなく直接取り出せ,さらにそれらを自由に組み合わせることにより,容易に自分なりの創造的音楽表現を実現できるようになる.本論文では,特に音の機能の考え方が重要となるジャズの即興演奏を対象として作成した試作器と,それを用いた被験者実験について説明し,本手法の可能性について検討する.Many people cannot help but give up to play music bacause of difficultyof a musical theory or a manipulation of a musical instrument.The authors aim todevelop a musical instrument with whcih anyone can enjoycreating of music with the support of a computer.In this paper,we propose a concept called the "fixed mapping of note-funcitons".With an ordianary musical instrument,a specific pitch is always mapped on a specific position of the instrument;this is a "fixed mapping of pitch" instrument.However,a note has other attributes.A note-function,i.e.,theemotional effect of a note depending on the temporal musical situation,is one of them.The mapping of a specific note-function on a specific position is the basis of the "fixed mapping of note-funcitons" concept.In order to determine the note-function,a theoretical analysis is usually necessary.Using the proposed method,however,it becomes possible to directly extract notes with the required functions without any theoretical considerations and to exhibit creativity by combining the notes.In this paper,we show a prototype of an instrument for improvisational jazz,provide several subjective experimental results and dsicuss the possibilities of the method.
著者
角 康之 伊藤禎宣 松口 哲也 シドニーフェルス 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2628-2637, 2003-11-15
参考文献数
19
被引用文献数
50

人と人のインタラクションにおける社会的プロトコルを分析・モデル化するために,開放的な空間における複数人のインタラクションを様々なセンサ群で記録し,蓄積された大量のデータに緩い構造を与えてインタラクションのコーパスを構築する手法を提案する.提案手法の特徴は,環境に遍在するカメラ/マイクなどのセンサ群に加えて,インタラクションの主体となるユーザが身につけるカメラ/マイク/生体センサを利用することで,同一イベントを複数のセンサ群が多角的に記録することである.また,赤外線IDタグシステムを利用して,各カメラの視野に入った人や物体のIDを自動認識することで,蓄積されるビデオデータに実時間でインデクスをつけることができる.本稿では,デモ展示会場における展示者と見学者のインタラクションを記録し,各人のビデオサマリを自動生成するシステムを紹介する.個人のビデオサマリを生成する際,本人のセンサデータだけでなく,インタラクションの相手のセンサデータも協調的に利用される.We are exploring a new medium in which our daily experiences arerecorded using various sensors and easily shared by the users, inorder to understand the verbal/non-verbal mechanism of humaninteractions. Our approach is to employ wearable sensors (camera,microphone, physiological sensors) as well as ubiquitous sensors(camera, microphone, etc.); and to capture events from multipleviewpoints simultaneously.This paper presents a prototype to capture and summarize interactionsamong exhibitors and visitors at an exhibition site.
著者
森 祐馬 榎堀 優 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.12, pp.1-6, 2013-10-29

不良姿勢での生活は,肩凝りや筋肉の痛みなどの身体的悪影響を発生させる.そこで我々は,一日を通じて負荷の無い姿勢で生活して,肩こりなどの不快な症状を感じること無く一日を終えられるようにサポートするシステムを開発している.本システムは,不良姿勢をとった時に警告を発し,悪化度合いに従って警告の強度を変化させることで,利用者がよい姿勢に近づいたことを理解し,自身で良い姿勢に修正できるようにサポートする.本稿では,姿勢評価部分について言及する.人の姿勢は頭部,背部,腰部の傾きの組み合わせで表現できると仮定し,各部の傾きの組み合わせから姿勢を点数化した.首が垂れた姿勢,前傾姿勢,反り腰の三つの不良姿勢を対象とし,良い姿勢に近づくほど評価が良くなることを確認した.Bad postures yield abnormal load for muscles, and then the load become causes of various pains, such as stiff shoulder. To prevent occurrences of such pains, we are developing a wearable system to assist people in keeping good posture. In this paper, we focus into the sensing and scoring functions of the system. Our prototype uses the head, back, and waist leans measured with three wearable accelerometers to generate posture scores. The scores showed improvements and good correlations in almost cases when subjects changed their posture from bad ones to good ones, in our evaluations.
著者
米澤 朋子 ブライアンクラークソン 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.2810-2820, 2002-08-15
参考文献数
12
被引用文献数
9

本論文では,文脈に応じた音楽表現を用いた,新しいぬいぐるみインタラクションを提案し,その効果を評価するものである.様々なセンサを埋め込んだぬいぐるみとの接触インタラクションにより,あらかじめ与えたぬいぐるみの内部状態を変化させ,その状態に応じた音楽を生成するシステムを実装した.また,人間同士のコミュニケーションにおける,本システムの音楽表現による効果を評価した.We present a sensor-doll capable of music expression as a sympathetic communication device. The doll has a computer and various sensors to recognize its own situation and the activities of the user. It also has the internal ``mind'' states to reflect different situated contexts.The user's multimodal interaction with the passive doll is translated into musical expressions that depend on the state of mind of the doll. Finally we evaluate the effect ofmusic expression to the human communication using the tactile doll.
著者
坂本 竜基 角 康之 中尾 恵子 間瀬 健二 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3582-3595, 2002-12-15
被引用文献数
10

本稿では,コミックダイアリシステムと呼ばれる,個人の日記を漫画形式で自動生成するシステムを提案する.このシステムは,博物館見学や学術会議参加において個人化されたガイドを行う展示ガイドシステムの一環として開発した.このシステムにより自動生成された漫画は,個人の記憶補助のみならず記憶の伝達のためのカジュアルな媒体として利用されることを期待されている.システムは,会場閲覧の個人的なエピソードを展示ガイドシステム(C-MAP)から収集したデータと社会的イベントなどの周辺情報を元にストーリ化し,漫画というスタイルで表現する.また,漫画の生成機能以外にも,複数の漫画間をブラウジングする機能や個人の漫画の伝達を支援する機能も有している.本稿では,プロトタイプシステムに関する説明と,これまで行った学術会議における運用実験の結果について述べる.This paper describes a system, called ComicDiary, which automatically creates a personal diary in comic style. ComicDiary is built as a sub-system of our ongoing project of a personal guidance system for exhibition touring at museums, trade shows, academic conferences, cities, and so on. We intend for ComicDiary to be used as a casual tool for augmenting each individual user's memory as well as encouraging users to exchange their personal memories. ComicDiary is to allegorize individual episodes during touring exhibitions by creating a comic from a user's touring records, accumulated by his/her personal guidance system, and environmental facts, e.g., social events. Addtion to its basic representation in comics style, ComicDiary has two novel functions as computational media. One is to support browsing over many ComicDiary and the other is to support sending user own ComicDiary to him or her friends. In this paper, we present the implementations and user evaluation of ComicDiary deployed at academic conferences.
著者
角 康之 江谷 為之 シドニーフェルス ニコラシモネ 小林 薫 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.2866-2878, 1998-10-15
被引用文献数
52

本稿では,我々が現在進めている展示ガイドシステムの研究プロジェクトC?MAP (Context?aware Mobile Assistant Project)の概要と現状を報告する.C?MAPの目標は,博物館や研究所公開などの展示会場を想定し,携帯情報端末を携えた見学者へ,彼らのおかれた時空間的な状況や個人的な興味に応じて,展示に関する情報を提供する環境を構築することである.我々は最初のテストベッドとして我々の所属する研究所の研究発表会を選び,展示ガイドシステムを試作した.携帯ガイド上には,展示会場の地理的案内と展示間の意味的な関連を可視化した意味的案内が提供され,これらはユーザの時空間的/心的な文脈に応じて個人化される.また,ガイドシステム上にはlife?likeな外見を持つガイドエージェントが表示され,システムとユーザ間のインタラクションを取り持つ.本稿では,展示に関する興味を共有する見学者?展示者間のコミュニケーションを促進するためのサービスについても述べる.This paper presents the objectives and progress of the Context-aware Mobile Assistant Project (C-MAP).The C-MAP is an attempt to build a tour guidance system that provides information to visitors during exhibition tours based on their locations and individual interests.We prototyped a guide system using our open house exhibition of our research laboratory as a tested.A personal guide agent with a life-like animated charadter on a mobile computer guides users using exhibition maps which are personalized depending on their physical and mental contexts.This paper also describes services for facilitating communications among visitors and exhibitors who have shared interests.
著者
角 康之 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2679-2688, 2000-10-15
参考文献数
20
被引用文献数
10

本稿では,我々が開発している展示見学のための個人ガイドシステムを紹介し,実世界コンテキストに埋め込まれたコミュニティウェアの考えを提案する.我々の展示見学ガイドシステムの目標は,ユーザ個人の状況や興味(コンテキストと呼ぶ)に応じて展示見学に関連する情報を個人化して提示することである.そのためにシステムは各ユーザのコンテキスト情報を認識して利用するが,蓄積されたコンテキスト情報は,興味を共有するユーザ同士のコミュニケーションを促進する材料ともなりうる.本稿では,実世界でのコンテキストを拾い集め活用するための仕組みとして,掌サイズの携帯ガイドシステムと展示会場に遍在した据え置きディスプレイを連携する枠組みを紹介する.また,蓄積されたコンテキスト情報を構造化してコミュニティ内での出会いや情報共有を促進するための視覚的インタフェースを紹介する.This paper presents a notion of communityware situated in real-world contextsby presenting our ongoing project of building a guidance system for exhibition tours.The user of our system carries PalmGuide,a hand-held guidance system, while touring an exhibition.A personal guide agent runs on PalmGuide and provides tour navigation information,such as exhibit recommendation, according to the user's contexts, i.e.,personal interests and temporal and spatial situations.The guide agent running on PalmGuide can migrate to and provide personalized guidanceon individual exhibit displays or information kiosks that are ubiquitously locatedin the exhibition site.We also show Semantic map,which is a visual interface for exploring community information.
著者
戸田山 和久 久木田 水生 間瀬 健二 唐沢 かおり 鈴木 泰博 秋庭 史典
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、人類よりも知的な人工システムが技術的に可能になる日であるとされるシンギュラリティを巡り、その技術予測としての妥当性、そこで用いられる「人類よりも知的」の意味を明らかにし、その基礎作業の上で、なんらかの意味でのシンギュラリティが起こりうるという仮定にもとづき、予防的にシンギュラリティに人類はどのように対処すべきかを検討し、提言することを目指す。平成29年度は、シンギュラリティの「哲学的問題」として(1)知能爆発の可能性(必然性?)を論証する回帰的議論は果たして妥当か。(2)知性・知能とは何か。そもそも機械はどのような心的能力をもちうるか。(3)知能爆発の結果、倫理や価値(真・善・美)はどうなるのか。(4)シンギュラリティ後の世界において、われわれ人間はどんな役割を果たせるのかという問題群を取り出した。また、これまでに「シンギュラリティ」について書かれた言説について包括的なサーベイを行い、技術予測、シンギュラリティ概念、知性の概念、コンピュータ観、人間観等にかかわる基礎的概念について、著者によって大きく異なることを見出し、それを整理し、「シンギュラリティ」についてどのように論じるべきかというメタ的・方法論的なことがらについて結論を得た。それは、研究代表者により『人工知能学大事典』の「シンギュラリティ」の項目執筆というかたちで発表された。その他、シンギュラリティについて考察するのに関わりをもつ副次的概念や問題(とりわけ機械が犯した失敗についての責任の所在、機械は責任主体になりうるかという問題)について、研究成果を得て、さまざまな媒体で発表した。
著者
米澤 朋子 クラークソンブライアン 安村 通晃 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.3, pp.17-24, 2001-01-17
参考文献数
11
被引用文献数
10

我々は,ぬいぐるみとのインタラクションが音楽を生み出すシステムを,新しい音楽コミュニケーションとして提案し,"Com-music"を実装した.ぬいぐるみに様々なセンサを埋め込んだ"Com-music"は,隠れマルコフモデルにより予めラベル付けされたジェスチャー認識を用い,ユーザとぬいぐるみとの間に行われるインタラクションのレベルを判断する機構を持っている.本稿では,インタラクションの頻度・強度が音楽マッピングを変更し,状況や文脈によって異なる音楽を作る新しいタイプのコミュニケーションについて考察する.We propose a music expression system which generates music by interaction between the user and a sensor-equipped doll named "Com-music." Since the sensor-doll includes various sensors and a PC, it can detect not only raw data but also pre-defined gestures and contexts using HMMs (Hidden Markov Models). The doll has five levels of interaction as pre-defined contexts, that correspond to the strength and the frequency of the interaction with theuser. Each interaction level has different set of music control mappings, so the doll reacts with music expressions correspondent to context. In this paper, we consider the sensor-doll system as a device of the new type of communication, which uses music expressions as the communication media.
著者
藪圭輔 榎堀優 間瀬健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.23, pp.1-8, 2014-03-07

Wi-Fi 電波強度を用いた位置推定において,電波強度の揺らぎを考慮して,電波強度分布の一致度から位置を推定する場合,少数回の観測では十分な電波強度分布が得られず,推定精度が低下する問題がある.そこで本研究では,電波強度分布に,通信理論において,多重経路で受信機に到達する散乱信号のモデルに使われるレイリー分布を用いることで,少数回の観測でも精度の高い位置推定を実現することを目指す.電波強度分布にレイリー分布を想定した場合とガウス分布を想定した場合とを比較した結果,観測回数 2 回の場合の位置推定精度を表す F 値は,レイリー分布利用で 0.770±0.235,ガウス分布利用で 0.055±0.054,5 回で同じく 0.871±0.174 と 0.647±0.195 となった.従って,レイリー分布を利用することで,少数回の観測でも高い精度で識別できることが確かめられた.また,レイリー分布は 1 サンプルでも分布の推定が可能であり,F 値で 0.522±0.235 の精度を得た.In Wi-Fi based positioning, RSSI distribution matching is required to realize robustness for RSSI noise that is occurred by humidity change, human movement, and so on. However, RSSI distribution matching is not effective in small-sample-size positioning if it use common distribution such as Gaussian. Thus, in this paper, we propose use of Rayleigh distribution in order to solve the issue. The Rayleigh distribution is a model of scattering signals arrival with multiple paths in communication theory, and is able to estimate its distribution with small-size samples. As an evaluation result, in two samples, the F-measure is 0.770±0.235 with our proposed method, and it is 0.055 ± 0.054 with Gaussian; and in five samples, the F-measure is 0.871 ± 0.174 with our proposed method, and it is 0.647 ± 0.195 with Gaussian. In addition, our proposed method is able to estimate position in only one sample with 0.522 ± 0.235 in F-measure.
著者
角 康之 間瀬 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1231-1243, 2001-08-01
被引用文献数
25

本論文では, 博物館, 街角, 学校, オフィス, 学会イベントなど, 興味, 趣味, 状況を共有する人が集まる場所での対面している人の間の出会いや対話を促進することを目的とした, エージェントサロンと呼ばれるシステムを紹介する. エージェントサロンは, 複数のユーザが同時に利用できるような大きなディスプレイをもっており, そこに, 各ユーザに帰属したパーソナルエージェントがキャラクタアニメーションとして表示され, それらが自動的に会話を始める. パーソナルエージェントは, 普段はPalmGuideと呼ばれる携帯ガイドシステム上で動作しており, 各ユーザの個人的興味やそれまでの行動履歴を管理しながら個人ガイドサービスを提供している. 各ユーザがPalmGuideをエージェントサロンに赤外線接続することで, パーソナルエージェントはそれらの個人情報と一緒にエージェントサロンに乗り移り, エージェント同士で自動的におしゃべりを始める. おしゃべりの内容は, 各ユーザの興味やそれまでの行動履歴に関する内容であり, ユーザに成り変わって, 互いの経験に基づいた意見交換を行ったり推薦を行ったりする. そのおしゃべりを聞いているユーザたちは, いわば以心伝心のように共通の話題を得ることができ, エージェントたちのおしゃべりに引き込まれるように, より価値のある会話を始めることが可能になると考える. 本論文では, 実際の会議の参加者サービスとして実装したエージェントサロンの, 動作説明と評価を行う.
著者
西本 一志 渡邊 洋 馬田 一郎 間瀬 健二 中津 良平
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1556-1567, 1998-05-15

音楽との能動的な接し方の特徴は, 自分なりの音楽表現という創造性の発揮にある.しかし現実には音楽理論や楽器操作技術の困難により, 多くの人は能動的な音楽との接触を諦めている.筆者らは, これらの困難を計算機で支援することにより, だれでも容易に創造的音楽表現に取り組める楽器の実現を目指している.本論文では, そのための手段として, 音機能固定マッピング手法を提案する.従来の楽器は音高を演奏インタフェース上の固定ポジションにマッピングする音高固定マッピング型の楽器であった.しかし, 音には音高以外の属性があり, その1つとして, 音楽的環境に応じて個々の音が人に様々な情動的作用を与える, 機能という属性がある.音機能固定マッピングとは, 常時一定の演奏ポジションに一定の機能を持つ音をマッピングする手法である.ある音の機能の判定には音楽理論に基づく解析が必要であるが, この手法によれば, 演奏者は必要な機能を持つ音を理論的解析を行うことなく直接取り出せ, さらにそれらを自由に組み合わせるとこにより, 容易に自分なりの創造的音楽表現を実現できるようになる.本論文では, 特に音の機能の考え方が重要となるジャズの即興演奏を対象として作成した試作器と, それを用いた被験者実験について説明し, 本手法の可能性について検討する. : Many people cannot help but give up to play music because of difficulty of a musical theory or a manipulation of a musical instrument. The authors aim to develop a musical instrument with which anyone can enjoy creating of music with the support of a computer. In this paper, we propose a concept called the"fixed mapping of note-functions". With an ordinary musical instrument, a specific pitch is always mapped on a specific position of the instrument; this is a"fixed mapping of pitch"instrument. However, a note has other attributes. A note-function, i.e., the emotional effect of a note depending on the temporal musical situation, is one of them. The mapping of a specific note-function on a specific position is the basis of the"fixed mapping of note-functions"concept. In order to determine the note-function, a theoretical analysis is usually necessary. Using the proposed method, however, it becomes possible to directly extract notes with the required functions without any theoretical considerations and to exhibit creativity by combining the notes. In this paper, we show a prototype of an instrument for improvisational jazz, provide several subjective experimental results and dsicuss the possibilities of the method.
著者
西本 一志 間瀬 健二 中津 良平
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.58-70, 1999-01-01
被引用文献数
11

We have been developing a creativity support system called "AIDE, " which is equipped with various agents to stimulate creative group conversations. In this paper, we describe an autonomous information retrieval agent called "Conversationalist, " which is one of the agents of AIDE and is responsible for stimulating human divergent thinking. This agent analyzes the relationships among utterances and the structure of the topic in a conversation, and autonomously extracts various pieces of information relevant to the current conversation. Furthermore, we also show subjective experiments of AIDE applied to brainstorming sessions. From the results of the experiments, we confirmed that the agent is effective in stimulating human divergent thinking and in extracting more ideas from subjects, than in brainstorming sessions without the agent. Based on the results, we discuss what kind of information retrieval method is effective and when extracted pieces of information should be provided. Consequently, the following results are suggested : 1) when a conversation is active, the frequency of information provision by the agent should be rather low, and the relationship between the topic of the conversation and the pieces of information should not be so far, and 2) when a conversation is not active, i.e., is stagnate, or asynchronously executed, the frequency of information provision by the agent should be rather high, and the pieces of information should include some hidden relations with the topic of the conversation.
著者
門林 理恵子 西本 一志 角 康之 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.980-989, 1999-03-15
被引用文献数
4

博物館の展示は 学芸員の専門知識や関心の体系的表現であるが ある視点からの構造化の一実現例であり しかも一方的に見学者に提示される. このため 様々な興味や知識を持つ見学者の知的欲求をつねに満たすことは難しい. そこで本論文では 学芸員と見学者を仲介し 博物館展示の意味的関連に基づく構造を見学者ごとに個人化する手法を提案する. 本手法では 展示物などに付与される説明文を キーワードを基に統計処理することで 展示物間の関連に基づく構造を2次元空間に可視化する. まず元の展示の構造を示す展示空間を構成し 次に見学者の興味に基づく興味空間を作る. 最後に両者を融合して個人化空間を作成する. 個人化空間に可視化された展示の構造は 学芸員の視点からの関連を保持しつつ 同時に見学者の視点を反映したものとなる. こうすることにより 既存の 見学者の立場を中心とした個人化手法における 展示が断片化して関連が失われ かえって理解が困難になるという問題を回避することができる. これらの空間を用いることで 同じ展示を見学者ごとに個人化することが可能となる. さらに これらの空間が学芸員へもフィードバックされることにより 学芸員自身が展示についての新たな視点を獲得できるが これは従来の博物館の展示や既存の個人化手法では困難であったものである. 本論文では 本手法の詳細とその実施例 さらに評価についても述べる.Museum exhibitions are thought to be well organized representations of the expert knowledge of curators, but they are just one example of structures of knowledge among many possibilities, given to museum visitors in a one-sided way. Therefore, traditional museum exhibitions can hardly meet the vast requirements of general visitors who possess a variety of interests. In this paper, we propose a method for personalizing the semantic structure of museum exhibitions by mediating curators and visitors. The semantic relations of displays are visualized as a two-dimensional spatial structure based on the viewpoints of the curators and visitors separately, and then together. The structures reflect the interests of the visitors, while maintaining the knowledge of the curators. We disucuss the detail of the method and show an example of personalization. Evaluation results through a subjective experiment is also given.
著者
江谷 為之 角 康之 シドニーフェルス 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.31, pp.43-48, 1998-04-23
被引用文献数
4

本稿では我々の研究プロジェクトC-MAP(Context-aware Mobile Assistant Project)におけるエージェントベースの適応型支援アーキテクチャの概要を述べる。C-MAPでは、博物館や研究所公開などの展示空間を構成する見学者/説明員、展示物/デモ、展示サイトなどの関係要素に対してエージェントを配置し、それらの動的属性に振舞いを相互適応させることで、見学者の興味や知識の推移に応じた展示ガイド、人間同士の出会い支援を目指す。ここでは、展示空間における動的関連性を考慮した相互のコミュニケーション支援について考察し、それらを実現するための支援アーキテクチャについて議論する。This paper is to discuss our agent-based support architecture in C-MAP; Context-aware Mobile Assistant Project. C-MAP is an attempt to build an exibition environment like museum that provides enriched information to visitors based on their individual context like location, interests etc. In this environment, elements that compose exibition space like human, object, site are represented as agents that communicate with each other in adaptive manner. Basic support functions and architecture for this adaptive exhibition environment are discussed in this paper.
著者
前田 篤彦 杉山 公造 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.87, pp.117-124, 2001-09-13

本研究では,体験型科学館に設置されたインタラクティブ・システムに対するユーザの一連の行為をinquiry learningの機会として捉える.本研究の目的は,inquiry learningのための,より効果的なインタラクティブ・システムのインターフェイス・デザインとはどのようなものなのか,実験によって検証することである.そのために,二つの実験を行った.はじめの実験では,inquiry learningにおける学習達成率が容易になる条件ほど,後半時間における探索行為の減少傾向が強くなることが示された.この結果から,ヒューマン・インターフェイスをデザインする際に,探索行為によらない偶発的な学習の機会を考慮する必要性が示唆される.それゆえ,次に入力デバイスの違いによって,偶発的な学習の頻度に差がでるか検証した結果,オルタネイト・スイッチの組み合わせより,モーメンタリ・スイッチ単独によるほうが,偶発的な学習の機会が増やすことがわかった.最後に,この原因として人間の誤動作について考察する.A series of the user's actions on an exhibit of an interactive art and science museum is examined in terms of inquiry learning. The purpose of this study is to discover the more effective human interface design for the inquiry learning. For this purpose, two experiments are conducted. First experiment's results show that the higher the rate of the learning-achievement in the inquiry learning is, the higher significant decrease of the rate of the exploratory behavior in a series of actions in the latter half is. These phenomena imply that the opportunity for not only learning by exploration but also accidental learning should be considered when designing the human interfaces. Next experiment on input devices shows that one momentary switch is superior to a combination of alternate switches in terms of accidental learning. Finally, we discuss the role of behavioral error (micro slips) to accidental learning.
著者
米澤 朋子 鈴木 紀子 安部 伸治 間瀬 健二 小暮 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.25-30, 2008-05-21

擬人的媒体等とのインタラクションに伴う音声表現に,連続的な声色表情付与を狙いとし,STRAIGHT を用いた音声モーフィングを同一歌唱者の表情無し歌声-表情付き間歌声間に適用した.合成音の声色の表情強度に関して一対比較を行った結果,第一刺激に比べて第二刺激の表情強度が増す場合と減る場合で,刺激間の差分の知覚が異なることがわかった.これに基づき声色の表情付け手法を議論する.This paper proposes and evaluate a method for synthesizing continuous expressions in vocal timbre by gradually changing spectral parameters based on STRAIGHT speech morphing algorithm among differently expressed singing voices. In order to synthesize natural change of various and continuous strengths of singing voice expressions, a singing voice without expression, "normal," is used as the base of morphing, and singing voices of the particular singer with three different expressions, "dark," "whispery" and "wet," are used as targets. The results of the paired comparison between different strengths of vocal timbre suggested that the decrease of the expression in vocal timbre is more perceived than the increase in some expressions.
著者
石原 和幸 上田 真由美 平野 靖 梶田 将司 間瀬 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.51-56, 2008-01-17
被引用文献数
4

献立を考えることは,料理をする人の約半数が面倒だと感じている.料理レシピを提供するWebサイトなどが多数存在するが,その多くでは利用者個人の嗜好を反映した献立決定の支援は行われていない.そこで,TF-IDF(Term Frequency-Inverted Document Frequency)における単語の特徴を尺度化する考えを食材の特徴の尺度化に用い,食材利用頻度と食材の特異度から各個人における食材の特徴を尺度化するFF-IRF(Foodstuff Frequency-Inverted Recipe Frequency)を提案する.これにより,食材に対する個人の嗜好を反映することを可能にする.提案手法の有効性を検証するため,評価実験用システムを実装し,個人の調理履歴と料理レシピ提供サイトのクックパッドのデータを用い評価実験を行った.実験結果より本手法の有効性について述べる.