- 著者
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深井 穫博
眞木 吉信
高江洲 義矩
- 出版者
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会
- 雑誌
- 口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.2, pp.129-136, 1996-04-30
- 被引用文献数
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保健行動は生涯発達の中で形成・獲得されるものであるが,成人期から老人期にかけての口腔保健行動が,社会的な影響を受けてどのように修正・形成・定着していくかについては必ずしも明らかではない。そこで本研究は,関東地域在住の20歳から50歳代の男女673名を対象に,成人のライフスタイルおよび健康習慣とその年齢特性について検討した。その結果,今回の調査では以下の結論を得た。25〜34歳,35〜44歳の年齢層は生活のゆとりおよびソーシャルサポートが少なく,また職場環境に関しても,「残業」および「ストレスを感じる」者が中高年層に較べて多かった。一方,「仕事の満足感がある」者では逆に中高年層ほど仕事にやりがいを感じていた。ただし主観的健康状態は,どの年齢層でも約60〜70%の者が「健康である」と回答しており,年齢層による差は見られなかった。健康習慣では「毎日の朝食摂取」および「定期健康診断受診」に関して,明らかに中高年層が若年成人に較べて高い割合であった。また,「喫煙」,「飲酒」,「運動」,「体重」,「睡眠」,「間食」,「ストレス」に関する項目では,その健康習慣を持っている者は,どの年齢層でも約10〜30%の範囲であった。これら9項目の健康習慣について各項目で「あり」と回答した場合を1点としその合計得点で評価した結果,24歳以下の群で2.1±1.9であったのに対し55〜59歳の群では3.0±2.1であり,高い年齢層ほど健康習慣得点は増加していた(p<0.05)。