著者
佐々木 中
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.47-68, 2007

さまざまな宗教現象において、「享楽」と呼ぶべき何かがあると考えうる時点は少なくない。宗教の享楽とは何か。この問いに答えるための予備考察として、ジャック・ラカンの晩年に見られる「享楽の類型学」と呼びうる部分を簡潔に整理し、享楽の定義から始めて「絶対的享楽」「二つのファルス的享楽」および「対象aの剰余享楽」という、いくつかの享楽の類型を提示する。そして、それらの概念が明らかに「宗教的」なものと関係があり、宗教現象分析のための概念として使用可能であることを指摘する。また、彼が最後に提出した「大他者の享楽=女性の享楽」が、他の享楽を「超過する」ものであるばかりか、神秘家の伝統に関わるものとして、精神分析自体の「歴史的限界」を露わにすることを呈示する。

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(佐々木中さん、ラカンについての論文も書かれてます。 http://t.co/ZhF6pw5r1w)
@shky168 もう一本、別のとこを目指す女性ってのは、いる。S(/A)、女性の享楽、大他者の享楽。S(/A)は、男性側に書き込まれているわけではないです。 http://t.co/YQ01tWKeAz の、CiNii 論文PDF - オープンアクセス
佐々木中「宗教の享楽とは何か――ラカンによる「享楽の類型学」から」(http://t.co/M77Hp7ER3q)。佐々木中が普通の文章書いてて衝撃的だ。
佐々木中「宗教の享楽とは何か――ラカンによる「享楽の類型学」から」(http://t.co/M77Hp7ER3q)。佐々木中が普通の文章書いてて衝撃的だ。
佐々木中「宗教の享楽とは何か : ラカンによる「享楽の類型学」から」 ⇒ http://t.co/Nu9hDL6E7w
あと、個人的には、勝手なことを言うと、ファルス享楽vs.大他者の享楽(女性の享楽)http://t.co/YQ01tWKeAz つーよーなとこに、議論が進んでいったら、面白かったのになぁ~と。いや、まったく勝手な話で、すみません。
結論の数行以外は定本にすべて組み込まれてると思うが『夜戦と永遠』第一部第三章四章の元論文読めるんだな,ダイジェストっぽい感じ http://t.co/0cckvttf あと学位論文要旨 http://t.co/VadToPFy

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