- 著者
-
和泉 眞喜子
高屋 むつ子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.4, pp.257-261, 2008-08-20
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
2
コーヒーの抽出条件や水の違いが味に及ぼす影響を官能評価を基に検討し,さらにコーヒー中のクロロゲン酸量と酸味との関連性を検討した。3種類のコーヒーにおける湯の温度の違いの官能評価では,ほとんどの評価項目で有意な差はみられないが,2種類のコーヒーにおいては温度が高い方が色が濃かった。85℃の抽出では評価が低くなる傾向が認められ,抽出器具では,コーヒーメーカーの評価が有意に低かった。それは,クロロゲン酸量が少なく,酸味が弱いことによるものと考えられる。水の種類では,2種類のコーヒーで硬水の総合評価が有意に低くなった。理由として,硬水を用いると,苦味が強く,酸味が弱いためと考えられる。クロロゲン酸量と酸味は正の相関が認められた。従って,クロロゲン酸量は酸味の指標になることが明らかになった。