著者
野田 厚志 北須賀 輝明 田頭 茂明 中西 恒夫 福田 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.643-655, 2009-03-25

本論文では,無線可視領域通信(WVAC : Wireless Visible Area Communication)において通信相手の特定を支援する名前解決ミドルウェアを提案する.WVACとは,近距離無線通信デバイスを用いて,ユーザの視界内に存在する端末と,一時的にネットワークを形成し,即座に情報交換を実現する無線通信のことである.提案ミドルウェアは,従来の名前を用いることに加えて,周辺端末との相対位置を補助的に提示することで,WVAC環境における通信相手の特定を効果的に支援する.提案ミドルウェアは,(1)ミドルウェアの機能を,アプリケーションが汎用的に利用できるように,シンプルなAPIを提供する.(2)事前に設定/配置が必要な専用サーバを必要としない.(3)キャリブレーションを必要とせずに,周辺端末の相対位置情報を取得できる測位手法を採用している.また,提案ミドルウェアのプロトタイプシステムを構築し,応用プログラムの作成と基礎的な評価を行った.評価の結果から,PDA程度の処理能力で十分に提案ミドルウェアを稼動できることを示した.

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