著者
土井 賢治 田頭 茂明 藤田 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.420, pp.139-144, 2006-12-07

分散ハッシュテーブル(Distributed Hash Table: DHT)は,P2Pシステムにおいてネットワーク上に遍在する資源に対して効率的なアクセスを実現する手法のひとつとして高い注目を集めている.しかし,DHTにはP2Pオーバーレイネットワーク上のピア間の隣接関係が物理ネットワークにおけるノードの"近接性"には無関係に決められているという問題がある.本稿では,ピアがDHTに参加する際の手続きにおいて物理ネットワークにおけるノード間の近接性の全体的な関係を考慮できる手法を用いることで,ノードの近接性を考慮したP2P DHTの構築手法を提案する.提案手法の有効性はシミュレーションにより評価される.
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.10, pp.1-6, 2010-08-26

本研究では,2009 年 12 月から 2010 年 6 月にかけて収集した位置情報付きツイート 50 万件の中から,位置依存性の高い文字列を抽出する手法を提案する.提案手法では,あるキーワードを含むツイート群に対して,緯度および経度の標準偏差をそれぞれ求め,ツイート群のばらつきの度合いから,そのキーワードの位置依存性を測る.しかし,この手法では,依存する位置が複数存在するキーワード (例えば,チェーン展開している有名店舗名など) を位置依存性の低い単語として判定してしまう.そこで,ある一定の割合以上のツイートを含むエリアを高速に抽出する二次元深さ優先探索を提案する.提案手法では,まず,エリアを 100 キロ四方のグリッドに分割し,それぞれのグリッド内のツイート含有率を計算する.次に,ツイート含有率がある閾値を超えたエリアを 10 キロ四方のグリッドに分割し,同様の判定を行い,最終的には 1 キロ四方のグリッドまで走査する.これらの分析により,1 つのキーワードに対して複数の位置依存性を抽出することが可能となる.In this paper, we propose how to extract the location-dependent keywords from our database which includes 465254 tweets obtained from Dec. 2009 to June 2010. First, we analyize the standard deviation of latitude and longitude, which shows variation level. It is very simple way, but it can't find out the keywords which depend on several locations. For example, famous department stores distributed all over Japan have a large standard deviation, but they will depend on each location. Therefore, we propose two dimension breadth first search, where the searching area is divided into some square grid, and we extract the area which include tweets more than average. In addition, we re-divide the extracted areas into more small grids. Our method can extract some locations for one keywords.
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.2268-2276, 2011-07-15

本研究の目的は,我々がこれまでに提案しているコンテキストアウェア日本語入力システムの実現に向けて,ユーザの位置と実際に入力された文字列との相関関係を明らかにすることである.本論文では,位置情報付き日本語データの中から,位置依存性の高いキーワードを抽出する手法を2つ提案する.データとしては,2009年12月から収集しているTwitter上のツイート約50万件を用いる.提案手法1では,あるキーワードを含むツイート群に対して,緯度と経度の標準偏差を求め,ツイート群のばらつきの度合いから,そのキーワードの位置依存性を測る.提案手法2では,複数の位置に依存しているキーワード(たとえば,チェーン展開している店舗名など)を高速に抽出するための手法として,探索を3階層(100kmの正方エリア,10kmの正方エリア,1kmの正方エリア)に分けて行うことにより,提案手法1では検出できない,全国に分散したキーワードがある確率以上で出現する1km正方エリアの高速な抽出を実現している.The objective of this study is to specify the relationship between user's context and really-used words for realizing the context-aware Japanese text input method editor. We propose two analytical methods for finding location-dependent words from a half million tweets including Japanese and geographical location, which have been collected since Dec. 2009. First method is to analyze the standard deviation of both latitude and longitude of all the tweets including a certain word. It is very simple way, but it cannot find out the keywords that depend on multiple locations. For example, tweets including famous department store's name has a large standard deviation, but they may depend on each location. Therefore, we propose three-tier breadth first search, where the searching area is divided into some square mesh, and we extract the area which includes tweets more than average of upper area. In addition, we re-divide the extracted areas into smaller areas. Our method can extract some locations for one keyword.
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2010-MBL-55, no.10, pp.1-6, 2010-08-26

本研究では,2009 年 12 月から 2010 年 6 月にかけて収集した位置情報付きツイート 50 万件の中から,位置依存性の高い文字列を抽出する手法を提案する.提案手法では,あるキーワードを含むツイート群に対して,緯度および経度の標準偏差をそれぞれ求め,ツイート群のばらつきの度合いから,そのキーワードの位置依存性を測る.しかし,この手法では,依存する位置が複数存在するキーワード (例えば,チェーン展開している有名店舗名など) を位置依存性の低い単語として判定してしまう.そこで,ある一定の割合以上のツイートを含むエリアを高速に抽出する二次元深さ優先探索を提案する.提案手法では,まず,エリアを 100 キロ四方のグリッドに分割し,それぞれのグリッド内のツイート含有率を計算する.次に,ツイート含有率がある閾値を超えたエリアを 10 キロ四方のグリッドに分割し,同様の判定を行い,最終的には 1 キロ四方のグリッドまで走査する.これらの分析により,1 つのキーワードに対して複数の位置依存性を抽出することが可能となる.
著者
長堀 哲 荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MBL, [モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会研究報告] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-8, 2011-05-26

携帯電話の普及に伴い,その利用マナーに関して敏感な社会になっている.例えば,電車に乗車中では携帯電話の電源を切ることが推奨されている.また,映画館や会議中はマナーモードにしておくべきである.一方で,家や歩行中,鞄の中に携帯電話がある場合は音を鳴らすモードにして携帯電話からの通知を聞き逃すことを防ぎたい.そこで,こうした端末の設定を自動的かつ適切に切り換える手法が求められている.本研究では,周囲の端末で協調を行うことにより,自動的なモード切り換え手法を提案する.提案システムでは,端末の位置情報から周囲の端末を認知してそれらの端末間でモード情報を共有し,マナーモードの割合から自身のモードを判定する.本論文では,この提案手法のシステム設計を行い,協調によるモード切り換えの簡単なプロトタイプを作成し,評価実験と考察を行った.
著者
田頭 茂明 有木 康雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.21, pp.99-104, 1996-02-29
被引用文献数
1

音声を入力インターフェースとした情報検索システムの構築を試みた。具体的には、マルチメディア情報の一つとして、ニュース音声を対象としている。「日本はPKOに参加することになりました」と言うようなニュース音声を聞いていて、<PKO>と言う用語を知らない場合、その場で「そのPKOってどういう意味?」と知らない用語を音声で反復して尋ねることができるシステムである。これにより、情報を得ているメディアと同じメディアを使って情報検索することができる。このシステムでは検索対象のキーワードをニュース音声とユーザー発話との共通区間と設定している。共通区間を切り出す場合に問題となる話者性の違いに対しては、部分空間射影に基づく話者正規化を用いている。We tried to construct a system of enquiring unknown words, by spontaneous repetition, appearing in spoken sentences of TV. For example, we hear "Japan would join PKO." from TV news and if "PKO" is an unknown word, then we can enquire it by saying "What's the PKO?" The system recognizes the word "PKO" and explains its meaning. The system estimates a common section between news speech and user speech and recognizes the word corresponding to the common section. We solved a problem of speaker difference in extracting common sections by speaker subspace projection.
著者
杉本 あい 田頭 茂明 藤田 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.167-172, 2007-03-01
被引用文献数
5

本稿では,P2PネットワークにおいてBitTorrentに基づいた並列ダウンロード手法を提案する.提案手法では,従来手法と同程度のダウンロード性能を維持しながらピース情報の交換コストを削減することを試みる.提案手法の基本的なアイデアは,従来手法におけるピース選択アルゴリズムをローカルなピース情報だけを用いて実現するように改良することである.また,改良によって起こりうるダウンロード時間の増加は,トラッカーで実行されるマッチメーキング手法を新たに導入することで抑制する.提案手法の性能をシミュレーションにより評価した.
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2010-SLDM-144, no.50, pp.1-7, 2010-03-19

本研究では,コンテキストアウェアIME実現へ向けて,コンテキストと入力文字列との相関関係を明らかにするために,Twitter (ツイッター) のつぶやきを収集し分析を行った.ツイッターを分析対象とした理由は,位置情報が付加された文字列が大量に得られることと幅広いユーザ層の文字列が得られることからである.2009 年 12 月 15 日から 2010 年 2 月 1 日の位置情報付きの 13590 件のツイートに対して,位置情報から得られるランドマーク情報と,時間情報から得られるテレビ番組情報とのマッチングを行ない,取得したツイートのうち,4.83% が発言した位置を元に得られるランドマーク情報を含み,8.16% が発言した時間を元に得られるテレビ番組情報を含んでいることを明らかにした.また,一致した文字列は,2~3 文字であることや Web 検索結果の上位 10 件に約 45% が含まれていることを明らかにした.
著者
久保 一雄 李 承諭 内野 雅人 佐藤 孝嗣 石田 繁巳 田頭 茂明 福田 晃
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.339-340, 2019-02-28

高度道路交通システムにおいて道路を走行する車両を検出することは重要なタスクの1つである.筆者らは,ウェイクアップ機構を有する音響車両検出システムを開発してる.超低消費電力マイコンを用いた省リソース車両検出モジュールで車両を検出した上で,同時通過車両の検出や車両進行方向の推定を可能とする高精度音響車両検出モジュールをウェイクアップさせて車両を検出する.本システムの実現に向け,超省電力マイコン上に実装可能な省リソース車両検出機構をこれまでに報告した.本稿では,省リソース車両検出モジュールの実証評価及びそれに基づくウェイクアップ型音響車両検出システムの消費電力評価について述べる.
著者
石田 繁巳 三村 晃平 劉 嵩 田頭 茂明 福田 晃
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.89-98, 2017-01-15

ITS(Intelligent Transportation Systems:高度道路交通システム)において,道路を走行する車両をカウントすることは重要なタスクの1つである.車両の通過をリアルタイムに検出するために車両カウントシステムの導入が進められているが,導入・運用コストが高いことから導入は一部の道路に限られている.本論文では,歩道上に設置したマイクロフォンを用いた低コスト車両カウントシステムを示す.本システムでは2台のマイクロフォンを歩道に設置し,車両が発する音を各マイクロフォンが受信した時刻の差を示す「サウンドマップ」を描くことで通過車両をカウントする.環境ノイズなどの影響により実環境ではサウンドマップに多くのノイズが含まれるため,本論文ではシンプルな画像処理手法を開発し,ノイズの影響を軽減したうえで自動カウントアルゴリズムを適用する.片側1車線の道路で提案システムの実証評価を行い,F値0.92という高い精度で通過車両の台数をカウントできることを確認した.
著者
荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.50, pp.1-7, 2010-03-19
被引用文献数
1

本研究では,コンテキストアウェアIME実現へ向けて,コンテキストと入力文字列との相関関係を明らかにするために,Twitter (ツイッター) のつぶやきを収集し分析を行った.ツイッターを分析対象とした理由は,位置情報が付加された文字列が大量に得られることと幅広いユーザ層の文字列が得られることからである.2009 年 12 月 15 日から 2010 年 2 月 1 日の位置情報付きの 13590 件のツイートに対して,位置情報から得られるランドマーク情報と,時間情報から得られるテレビ番組情報とのマッチングを行ない,取得したツイートのうち,4.83% が発言した位置を元に得られるランドマーク情報を含み,8.16% が発言した時間を元に得られるテレビ番組情報を含んでいることを明らかにした.また,一致した文字列は,2~3 文字であることや Web 検索結果の上位 10 件に約 45% が含まれていることを明らかにした.The objective of this paper is to clear out the relation ship between user's context and really used words in order to realize the context-aware IME. In this paper, we target public tweets of Twitter, because it includes various user's real sentences with geocode (latitude and longitude). We analyze 13590 tweets that have collected from 15 December 2009 to 1 February 2010 for specifying the relationship to landmark information and TV program. As a result, we show that 4.83% of tweets include landmark words, and 8.16% of tweets include TV program words. Additionally, we bring out that average length of concerted words is about 2.5 words, and 45% of them are included in top 10 of web search results.
著者
中野 達彦 中西 恒夫 田頭 茂明 荒川 豊 福田 晃
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013-MBL-66, no.11, pp.1-6, 2013-05-16

センサの小型化,低価格化,高精度化に伴うセンサネットワーク技術の発展の影響は農業にも及び,勘と経験の農業技術の見える化と農作物管理の高度化・高効率化を目指す環境情報モニタリング環境が構築されつつある.我々は,他のどのセンサノードともマルチホップ無線通信によるデータ通信ができずに孤立するセンサノードが存在するような農業疎密無線センサネットワークにおいて農業技術の見える化を試みることを想定し,オープンソースハードウェアの Arduino を採用し費用を最小限に抑え,さらに太陽光と風力によるハイブリッドなエナジーハーベストによって電源を確保し,超音波距離センサあるいは 315MHz 無線通信を用いた起床で実現する省電力な Data MULE によってデータ通信を行うセンサノードのプロトタイプを開発した.さらに,稼働時間に関して試算した結果,エネルギー供給は太陽光と風力で,動作に支障なく十分に賄えることがわかった.
著者
野田 厚志 北須賀 輝明 田頭 茂明 中西 恒夫 福田 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.643-655, 2009-03-25

本論文では,無線可視領域通信(WVAC : Wireless Visible Area Communication)において通信相手の特定を支援する名前解決ミドルウェアを提案する.WVACとは,近距離無線通信デバイスを用いて,ユーザの視界内に存在する端末と,一時的にネットワークを形成し,即座に情報交換を実現する無線通信のことである.提案ミドルウェアは,従来の名前を用いることに加えて,周辺端末との相対位置を補助的に提示することで,WVAC環境における通信相手の特定を効果的に支援する.提案ミドルウェアは,(1)ミドルウェアの機能を,アプリケーションが汎用的に利用できるように,シンプルなAPIを提供する.(2)事前に設定/配置が必要な専用サーバを必要としない.(3)キャリブレーションを必要とせずに,周辺端末の相対位置情報を取得できる測位手法を採用している.また,提案ミドルウェアのプロトタイプシステムを構築し,応用プログラムの作成と基礎的な評価を行った.評価の結果から,PDA程度の処理能力で十分に提案ミドルウェアを稼動できることを示した.
著者
片山 隆一郎 田頭 茂明 北須賀 輝明 中西 恒夫 福田 晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.8, pp.79-85, 2009-01-22

無線 LAN を用いた位置推定システムの重要な課題のひとつに,使用するデバイス間の違いによる推定精度の低下の問題がある.本稿では,デバイス間の特性の違いを明らかにし,校正を行うことで,異なるデバイスを用いた場合でも推定精度の低下を抑えることを目指す.具体的には,無線 LAN を用いた位置推定システムとしてシーン解析法に着目し,事前測定フェーズと位置推定フェーズの間に,校正フェーズを導入し,自動的にデバイス間の差を抽出する.実際に位置推定する際には,校正フェーズで抽出したデバイス間の差を考慮し,観測データを補正する.また,校正フェーズにおけるデバイス間の差を抽出するコストにも着目し,そのコストを削減することも目指す.実験により提案手法の有効性を評価し,その結果から校正しない場合と比べて,最大で約 30% の推定精度の向上を確認することができた.A critical problem with wireless LAN-based positioning systems is degradation in the estimation accuracy due to difference between employing wireless LAN devices. In this paper, we propose a device normalization technique that mitigates the degradation by analyzing and calibrating the difference in the location estimation. More specifically, we introduce calibration phase between the survey phase and estimation phase in the process of the scene analysis. The calibration phase distinguishes the difference automatically, and the estimation phase corrects observation data based on the extracted difference. Furthermore, the proposed technique reduces calibration cost for collecting calibration data. We evaluate the effectiveness of the proposed technique by experiments. The results indicate that it improves the estimation accuracy compared with no calibration.
著者
兼清 裕平 中西 恒夫 田頭 茂明 福田 晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.8, pp.71-77, 2009-01-22

無線 LAN を用いた位置推定システムにおける課題のひとつとして,受信信号強度の変動が原因となり推定精度が低下することがあげられる.この変動に対処することは,正確で信頼のある位置推定システムの実現には必要不可欠である.本稿では,ユーザが協調して,誤った推定結果を補正する手法を提案する.提案手法の主な目的は,過去にユーザが補正した情報を蓄積し,他のユーザにその補正情報を提供することである.これにより,ユーザ自身の現在位置が正しいかの判断を支援でき,さらに,過去の補正情報をもとにユーザは効率的に補正をおこなえる.また,提案手法の有効性を示すために実証実験を行った.この実験結果から,位置推定において過去の補正情報を提示することの有効性を明らかにした.A critical problem with wireless LAN-based positioning systems is degradation in the estimation accuracy due to variations in the strength of the received signal that originate in the nature of the underlying wireless channel. Coping with these complex variations is essential to realizing an accurate and reliable positioning system. Here we propose a collaborative mechanism for correcting positional estimation errors. The main objective is to assist users to manually correct for estimation errors by providing access to a shared body of accumulated information on corrections made by other users. In particular, the mechanism is designed to enable any group of users to collaboratively build upon this body of information. Finally, we evaluate the potential effectiveness of the proposed mechanism through experiments. The results demonstrate that the proposed mechanism can provide corrections for estimation errors in a realistic environment.