- 著者
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青池 慎一
- 出版者
- 慶應義塾大学
- 雑誌
- 哲學 (ISSN:05632099)
- 巻号頁・発行日
- vol.91, pp.403-414, 1990-12
Lazarsfeld, Berelson and Gaudet(1948)が1940年のアメリカ大統領選挙における投票行動の研究において,人々の意思決定に影響を与える人々や対人的影響の存在を発見し,その担い手としてのオピニオン・リーダーの分析を行って以来,多くの研究者によって,さまざまな意思決定分野や領域において,対人的影響やオピニオン・リーダーの存在が確認されてきているのである.オピニオン・リーダーは,いうまでもなく,Summers(1971,p.313)が述べているように,インターパーソナル・コミュニケーションによって,他の人々に大きな影響を与える人である.また,このインターパーソナル・コミュニケーションは,インフォーマルなものである.このオピニオン・リーダーに関して,今日まで数多くの研究が展開されてきているが,依然として,さらに検討されるべき多くの論点が残されているのである.本稿において,今後さらに研究されるべき諸論点のうちの三点をとりあげ,いかなる論点であるかを明らかにしていきたい.