著者
青池 慎一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.403-414, 1990-12

Lazarsfeld, Berelson and Gaudet(1948)が1940年のアメリカ大統領選挙における投票行動の研究において,人々の意思決定に影響を与える人々や対人的影響の存在を発見し,その担い手としてのオピニオン・リーダーの分析を行って以来,多くの研究者によって,さまざまな意思決定分野や領域において,対人的影響やオピニオン・リーダーの存在が確認されてきているのである.オピニオン・リーダーは,いうまでもなく,Summers(1971,p.313)が述べているように,インターパーソナル・コミュニケーションによって,他の人々に大きな影響を与える人である.また,このインターパーソナル・コミュニケーションは,インフォーマルなものである.このオピニオン・リーダーに関して,今日まで数多くの研究が展開されてきているが,依然として,さらに検討されるべき多くの論点が残されているのである.本稿において,今後さらに研究されるべき諸論点のうちの三点をとりあげ,いかなる論点であるかを明らかにしていきたい.
著者
桑本 暢子 菱沼 典子 中山 和弘 鈴木 和代 青池 慎一 佐々木 杏子 佐竹 澄子 品地 智子 中村 佳代 古川 優子
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

脳卒中患者に対する背面開放座位ケアプログラムの定着を目指した看護師支援ツール開発のために、普及理論をもとに質的研究を行った。結果、促進因子は,認定/専門看護師がオピニオンリーダーとなり,コアナースの育成,多職種/家族の協力,病棟文化,電子チャートにケア項目として入れる,プログラムをアレンジする,相対優位性/試行可能性,/両立可能性が高いことであった.阻害因子は,看護師の異動,採用拒否者の存在,教材不足,複雑性/観察可能性の低さであった.促進/阻害因子の多さ,強さによって,導入/実施継続,中断が起こっていた.定着には,プログラムの重要要素は保持した上で内容を変化させることが重要であった.