著者
小池 靖
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
no.4, pp.49-77, 1998-07-06

本稿は、ネットワーク・ダイレクトセリングと自己啓発セミナーを題材に、現代社会において宗教的/霊的/心理学的アイディアが消費され功利的に活用されていく構造を考察するものである。両者は、対人関係を実利的にとらえ、こころをコントロールすることによって現世で成功しようというアメリカにある古くからの流れに密接に関わっている。両者は、セールスマン養成のトレーニングに理念的/歴史的基盤があり、顧客と良好な関係を取り結ぶ技術が、他者と調和的な関係を築こうとする態度へと変容している。競争的な現代社会においては、商業的だがゆるやかに組織された様々なネットワークが、世俗化や個人主義に矛盾しないかたちで、新しい生き方や自己の探求の場を提供している。

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@regiusheinrich 90年代の社会学会大会で、自己啓発セミナー関連の報告が多かったことを思いだした。宗教社会学とか若者論とかも含めて、講義のテーマにしているが、学生に効果はあるだろうか? https://t.co/gBaK8Sem7R
授業で小池靖さんの「ポジティブ・シンキングからニューエイジまで : ネットワーク・ダイレクトセリングと自己啓発セミナーの宗教社会学」を読みました。http://t.co/Ieo6QsKo 女性参加者が多いことの意味、彼女らの置かれている苦境をきちんと論じるべきと学生の声。

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