著者
藤垣 裕子
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.10, pp.25-41, 2004-11-30
被引用文献数
1

本稿の目的は,環境社会学に対して科学技術社会論がどのような貢献をすることができるか検討することである。科学技術社会論の論客の一人であるSteven Yearlyは,『STSハンドブック』の環境に関する章のなかで,「科学技術社会論は,環境に関する問題を明らかにしたり,論争を解決したりすることへの科学のあいまいな役割について説明する枠組みを提供する」(Yearly, 1995)と述べている。この科学のあいまいな役割について,本稿では,フレーミング,妥当性境界,状況依存性,変数結節,という概念を使って順に解説する。環境社会学と科学技術社会論の橋渡しは,現在の日本で別々の文脈で語られている市民運動論と社会構成主義,科学と民主主義の議論を,連動した形で再度編成することによって進み,かつ両者の間に豊かな交流をもたらすだろうと考えられる。

言及状況

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[科学と社会][環境問題][STS] 「固い科学観」についても言及あり。藤垣氏は固い科学観が修正されたものを、柔軟な科学観と言っているとみてよいと思う。

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藤垣『科学技術社会論と環境社会学の接点』 環境社会学研究 2004 https://t.co/CaeKpCS8bo 「科学のあいまいな役割について,本稿では,フレーミング,妥当性境界,状況依存性,変数結節,という概念を使って順に解説する。」
「固い科学観」についても言及あり。藤垣氏は固い科学観が修正されたものを、柔軟な科学観と言っているとみてよいと思う。 / “CiNii 論文 -  科学技術社会論(STS)と環境社会学の接点(<特集>環境社会学の新たな展開)” http://t.co/J5FntuOh

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