著者
井上 史雄
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.19-29, 2004-09-30

この論文では,従来分析を進めてきた日本語標準語形の地理的分布データについて,新たな地理的情報を加え,二つの単純化技法を適用した.一つは地理的位置を鉄道距離によって表現したことである.もう一つは2次元的な地理的情報を点で表わして,日本列島を東西の1次元で示したことである.これにより,もう1次元に別現象を表示できる.ここでは県ごとの標準語形使用率を示した.地理的位置と標準語使用の散布図にあたる.本論文では「河西データ」を用いた.『日本言語地図』(LAJ)の一部項目の数値データである.鉄道距離という広義の社会言語学的情報を加え,県ごとの標準語使用率との関連を分析した.東京と京都の影響力の大きさをくらべることにより,標準語形使用に古都京都が基本的な力を及ぼしていたことと,東京からの伝播が地域的にも時期的にも限られることが,読み取れた.本稿ではこの考察をふまえて,社会言語学の理論的問題にも言及する.

言及状況

Twitter (6 users, 8 posts, 2 favorites)

@yanochin ちなみに鉄道距離と標準語化については本当に論文があります https://t.co/gKnZmiDLNT
https://t.co/hOUh0dNE7i 標準語使用率と鉄道距離にみるコミュニケーションの地理的要因 「地理的伝播様式の地域差」では、『日本言語地図』で、千葉茨城栃木群馬と長野山梨に、鉄道などを活用したと考えられる東京語形の近代的な伝播様式の存在が指摘されてたな。
CiNii 論文 -  標準語使用率と鉄道距離にみるコミュニケーションの地理的要因(<特集>方言) http://t.co/Sb1Gp6vQyt #CiNii 鉄道距離と文化の距離はだいたい相関するというお話
井上(2004)「標準語形初出年と鉄道距離重心―鉄道距離・使用率・初出年の3D散布図と東西クラスター」 http://t.co/3TjTmMyf 井上(2004)「標準語使用率と鉄道距離にみるコミュニケーションの地理的要因」 http://t.co/z61Ce7rO
井上(2004)「標準語形初出年と鉄道距離重心―鉄道距離・使用率・初出年の3D散布図と東西クラスター」 http://t.co/3TjTmMyf 井上(2004)「標準語使用率と鉄道距離にみるコミュニケーションの地理的要因」 http://t.co/z61Ce7rO
標準語使用率と鉄道距離にみるコミュニケーションの地理的要因 (特集:方言) http://t.co/C2nwBA8P
標準語使用率と鉄道距離にみるコミュニケーションの地理的要因 (特集:方言) http://t.co/C2nwBA8P

収集済み URL リスト