著者
川戸 貴史
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.二一-七四, 2013-07-25

戦国期の日本は「地域通貨」の登場に伴って授受のトラブルが頻発するようになったことが明らかにされている。そのような貨幣流通の事情下での、当時の人々の持つ貨幣観について、一六世紀に著された『玉塵抄』の記事を手がかりに分析を行った。それによると、「鳥目」「鵞眼」などの名称が、起源である中国と当時の日本とでは意味が異なっていることや、当時の日本は銭が貨幣として隅々まで行き渡っていること、銭が人々を豊かにするものであったことが意識されていた。また、当時特有の問題である撰銭については、ランダムに選択することを指した中国の故事とは異なり、意図的に良い銭を選ぶ行為として人々の間で常識的に理解されていた点を明らかにした。

言及状況

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「玉塵抄」は国文学・国語学の方面から研究がされているが、日本史側でも川戸貴史「『玉塵抄』にみる戦国期日本の貨幣観」(『千葉経済論叢』48、2013年7月、PDF公開)があるので、こちらも参照のこと。https://t.co/crd0j8M23m
この辺を見ても、我々ほどではないにせよ、当時の上流階級の人たちは、経済を自立的な領域として認識しつつあるのが伺える。まぁそういう訳で政治権力が経済を基礎づけるみたいな発想での取り締まりは在り得ない訳だな。> 『玉塵抄』にみる戦国期日本の貨幣観 https://t.co/tM4UqaXIok #CiNii
【資料】CiNiiに、川戸貴史氏の論文「『玉塵抄』にみる戦国期日本の貨幣観」(千葉経済論叢 48 2013/07/25)がpdfで公開されています。興味のある方はぜひ https://t.co/LUiiaPY9Sf

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