著者
岡本 雅子 村上 正行 吉川 直人 喜多 一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.35-45, 2013

プログラミングの学習では,サンプルプログラムを使って,プログラムの記述(命令)とその実行結果(動作)から各処理概念を学んでいく経験学習の方略が用いられる.しかしながら,各命令と動作の関係そのものを暗記するだけで,概念あるいは機能の理解といった段階にまで到達していない学習者が散見される.こうした事例に関し,本研究では,「現在使用されているカリキュラムや教材が,経験学習の構造的特性に合致していない」ことが,理解を妨げている要因の一つであるのではないかと考えた.そこで,経験学習を構成する「対象の認知と現象の把握」の過程に注目し,プログラムと動作の関係を視覚的に「顕在化」することに配慮したカリキュラムおよび教材を開発した.また,これらを評価するため,授業において運用を試みた結果,視覚的顕在化の側面において受講生への効果を確認するとともに開発した教材およびカリキュラムの有効性が示唆された.

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