著者
中西 久実子 村上 正行 上田 早苗
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.61-70, 2018-07-27

<p>In 2008 and 2009, we practiced Cooperative Learning (CL) twice between learners of Japanese as a second language in Hong Kong and trainees to be a Japanese teacher in Kyoto by using SNS. The questionnaire after CL showed that 2008-CL was not fully activated in terms of 'social presence' and 'social support'. In 2009-CL, we improved the following points to get the students to feel social presence and social support; 1) corrections should be directly written in SNS, not in attached files, so that they are visible, 2) some of the functions of SNS are refined, 3) CL is performed in a group, not in pair, 4) corrections are given not only to a part of the learners' essays, but also to all parts, 5) instructors take the role of facilitators. Due to these improvements, 2009-CL became more activated than 2008-CL.</p>
著者
村上 正行 丸谷 宜史 角所 考 東 正造 嶌田 聡 美濃 導彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.299-307, 2010
被引用文献数
6

本稿では,授業映像シーンへのコメントの付与及び授業映像の要約が可能なシステムSceneKnowledgeを開発し,本システム及び授業デザインの有効性を明らかにするために,2年間の授業に対して,質問紙調査を行った.その結果として,(1)授業映像がシーンに分割されていることによって,受講生が授業に関するコメントをを読み書きする際や授業映像の要約を作成する際に有用だった(2)受講生は,コメントを書くことを通して,授業内容を振り返り,自分の意見について考えることができた.また,他人のコメントを読んで,自分の考えと相対化させ,より深く考えることによって,授業に対する関心が高まった(3)授業映像の要約を作成することを通して,新しい観点を発見し,自分なりの考えをまとめることによってモチベーションを高めていた,の3点が分かり,高次な学習活動に結びついていると考えられる.
著者
村上 正行 山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.181-192, 2012

本論文では,FDに関する歴史や政策の動向,定義,推進主体などについて説明した上で,大学教育・FDに関する研究について調査,分析を行った.授業,カリキュラム,組織的なFDの3つのレベルに分類し,紹介した.そして,教育工学研究者が大学教育やFDに対してどのような役割を担うべきか,今後どのような研究を行なっていくべきか,について検討した.教育工学研究者は,大学教育やFDにおける現代の問題について,教育政策も踏まえながら,実践を通した研究を行うことが求められていると言え,今後,大学教育の改善やFDに関する研究を発展させていくことが必要であると考えられる.
著者
畑田 彩 平山 大輔 村上 正行 梶川 裕司 谷垣 岳人 中田 兼介 野崎 健太郎
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

本課題の目的は、大学の一般教養としての環境学系科目で効果的な環境教育を行うための教材開発と、それを共有できるシステムを構築することである。そのために、平成27年度は、1.教材を共有するプラットフォームとしてのWebサイトの構築・試用、2.収集した教材のピアレビューの方法の検討、3.ハンズオン型教材の試作をする予定であった。8月29日に現状把握と、今後のスケジュールを組むために、研究代表者、研究分担者による打ち合わせを京都外国語大学にて行った。本打ち合わせでは、各自が独自に開発した教材案を持ち寄り、教材をWebサイトにアップする際の分類方法や教材収集の方法について議論した。その結果、分類は「地球の物理的環境」「人間にかかわる問題」「生物にかかわる問題」に分け、小分類に関してはキーワード検索で対応することとした。フォーマットに関してはMOST(https://most-keep.jp/portal/)を参考に各自が教材案を作成し、それを見本としてWebサイトを構築し、教材提供を呼び掛けていくという手順を踏むこととした。以上により1.についてはWebサイト構築の際に必要不可欠である具体的な構造と収集方法を確定するところまで進展した。2.に関しては、教材が集まってからの作業になるため、平成27年度は取り組むことができなかったが、畑田・中田・平山は日本生態学会生態学教育専門委員会が公開している「生態教育支援データベース(http://www.esj.ne.jp/education/db/index.php)」が収集している教材のピアレビューを随時行い、ピアレビューに関する手順、チェックすべき項目は把握している。3. に関しては、ハンズオン型教材を作成するため,大学に既存の3Dプリンタを試用した。
著者
田口 真奈 半澤 礼之 杉原 真晃 村上 正行
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.327-337, 2012
被引用文献数
1

本研究は,FD(Faculty Development)業務を担当する若手教職員を対象とした調査結果から,担当者が業務上,連携を取る必要のある部局との連携の程度,ならびに担当者のキャリア展望が,FD業務へのやりがいや不安といった感情にどのような影響を与えるのかを明らかにするものである.大学教育センター等に所属する教員,FD委員会に所属する教員,事務職,組織の代表者といったポジションによる違いを検討したところ,センター所属の教員の方が委員会所属の教員よりも,また代表者は,若手教員よりもやりがいが高いことが明らかとなった.次に,こうしたやりがいや不安に影響を与える要因として,委員会所属の教員においては,連携が取れていることと,FD業務を自身のキャリア展望に位置づけられることがやりがいを増すことにつながる可能性が示唆された.センター所属の教員については,キャリア展望と,やりがいにのみ関連がみられた.事務職については関連はみられなかった.
著者
岡本 雅子 村上 正行 吉川 直人 喜多 一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.35-45, 2013

プログラミングの学習では,サンプルプログラムを使って,プログラムの記述(命令)とその実行結果(動作)から各処理概念を学んでいく経験学習の方略が用いられる.しかしながら,各命令と動作の関係そのものを暗記するだけで,概念あるいは機能の理解といった段階にまで到達していない学習者が散見される.こうした事例に関し,本研究では,「現在使用されているカリキュラムや教材が,経験学習の構造的特性に合致していない」ことが,理解を妨げている要因の一つであるのではないかと考えた.そこで,経験学習を構成する「対象の認知と現象の把握」の過程に注目し,プログラムと動作の関係を視覚的に「顕在化」することに配慮したカリキュラムおよび教材を開発した.また,これらを評価するため,授業において運用を試みた結果,視覚的顕在化の側面において受講生への効果を確認するとともに開発した教材およびカリキュラムの有効性が示唆された.
著者
大山 牧子 村上 正行 田口 真奈 三上 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.109, pp.37-42, 2007-06-16
参考文献数
13
被引用文献数
2

本発表では,オンデマソド型e-Learning語学教材について,学習者側の視点から,教材の構造と学習者の学習スタイルに注目して行った評価研究について述べる.2つの中国語語学教材の構造を分析した上で,教材の構造と学習者の学習スタイルとの関係に着目して,学習者のつまずきと興味関心を質的・量的に調査した.その結果,学習者をFelderの学習スタイルで分類した場合,問題を解決する際,自分で考えて解決する〔内省的〕なタイプの人は,教材に自由度があり,自分の学習方法が確立しやすいものを選択し,一方で人と議論して考えを深める〔活動的〕なタイプの人は,教材内にナビゲータが存在し,学習をわかりやすく促してくれるような教材を選択すると,継続的かつ効果的な学習が得られるということを見出した.
著者
大山 牧子 村上 正行 田口 真奈 松下 佳代
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.105-114, 2010

本論文では,構造の異なる大学生対象の中国語e-Learning教材を用いて,学習者特性と学習行為の関連性を明らかにすることを目的とする.学習者特性としては,FELDERによってモデル化された学習スタイルのうち<活動-内省>の軸に着目し,協力者を選定した.その上でケーススタディを行い,学習行為のプロセスを詳細に分析し1面で見られるように可視化した.その結果,学習スタイルの違いが学習行為を決定付ける1つの要因としてあげられることが示唆された.
著者
神藤 貴昭 酒井 博之 山田 剛史 村上 正行 杉原 真晃
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.113-116, 2006

本研究では,京都大学教育学部の授業と,鳴門教育大学大学院学校教育研究科の現職小・中・高教員対象の授業を連携させ,教育の理論と実践について議論することを目的とした京鳴バーチャル教育大学(KNV)実践の概要を示し,また,相手大学に現職教員あるいは京大学生という自己とは異なった顔を持つ<他者>がいることによる「フレーム」の変容に関する考察を,インタビュー及び電子掲示板の発言をもとにおこなった.その結果,一部「フレーム」の変容が困難であった受講生もいたが,教育に関する知識に関する「フレーム」変容だけではなく,教育に関する考え方や議論の仕方等,形式に関する一定の「フレーム」の変容が認められた.
著者
村上 正行 西口 敏司 亀田 能成 角所 考 美濃 導彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.253-262, 2005
被引用文献数
7

本稿では,講義自動撮影システムを用いて行っている講義アーカイブ実践において,(1)講義を撮影されることによる講師や受講生への影響,(2)講義アーカイブを理解するために重要な情報,(3)自動的に作成された講義アーカイブの有効性,の3点を明らかにすることを目的として,質問紙調査及びインタビュー調査を実施し,分析及び考察を行った.その結果, (1)授業を撮影されることによって,当初講師や受講生には心理的な負担が若干かかるものの,経験によってその負担は減少していくことが分かった.(2)講義アーカイブを見る際に受講生が重視しているのは,音声情報と教材情報であること,アーカイブ化される授業においては「教材への適切な指示」が非常に重要であることが示唆された.(3)作成された講義アーカイブについては画質や音質の面では十分高い評価を得ることができ,FDに役に立つ可能性があることが分かった.