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日・米・仏の国語教育を読み解く--「読み書き」の歴史社会学的考察
著者
渡辺 雅子
渡邉 雅子
渡辺 雅子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
(
ISSN:09150900
)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.573-619, 2007-05
本稿では、日米仏のことばの教育の特徴を比較しつつ、その歴史的淵源を探り、三カ国の「読み書き」教育の背後にある社会的な要因を明らかにしたい。まず日米仏三カ国の国語教育の特徴を概観した後、作文教育に注目し、各国の書き方の基本様式とその教授法を、近年学校教育で養うべき能力とされている「個性」や「創造力」との関係から比較分析したい。その上で、現行の制度と教授法、作文の様式はどのように形作られてきたのか、その革新と継続の歴史的経緯を明らかにする。結語では、独自の発展を遂げてきた各国の国語教育比較から何を学べるのか、日本の国語教育はいかなる選択をすべきかを、「国語」とそれを超えたグローバルな言語能力に言及しながら考えたい。 個性と創造力の視点から作文教育を見ると、日本とアメリカの作文教育における自由と規模の奇妙なパラドックスが浮かび上がり、また時節の議論からは超然としたフランスの教育の姿が現れる。また評価法の三カ国比較からは、言葉のどの側面を重要視し、何をもって言語能力が高いと認めるのかの違いが明確になる。規範となる文章様式とその評価法には、技術としての言語習得を超えた、言葉の社会的機能が最も顕著に現れている。 社会状況に合わせて常に革新を続けるアメリカの表現様式と、大きな転換点から新たな様式を作り出した日本、伝統様式保持に不断の努力を続けるフランス。三カ国の比較から見えてくるのは、表現様式を通した飽く無き「規範作り」のダイナミズムである。
言及状況
変動(ピーク前後)
変動(月別)
分布
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"社会状況に合わせて常に革新を続けるアメリカの表現様式と、…伝統様式保持に不断の努力を続けるフランス。" →弁証法の様式を残した後者は、それが万人によって達成されなくてもよいとしている(611頁)
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それぞれの文化ごとに何をもって「納得」とし、それを目指してどのように文章を構成するのかについては、渡辺雅子先生の研究を参照するのもひとつ。『納得の構造』もそうだし、添付のリンクも。 https://t.co/kQ6TJcVHNH
@askoma まだいろいろ入手段階なんですが、さっきはこれ読んでました!何かおすすめあったら教えてください(笑) http://t.co/tYyb9jzHn1
収集済み URL リスト
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005676261
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