- 著者
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八木 透
- 出版者
- 佛教大学総合研究所
- 雑誌
- 佛教大学総合研究所共同研究成果報告論文集 (ISSN:21896607)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.71-85, 2018-03-25
人間にとって死は何にもまして最大の恐怖であり,また残された者にとって,身内の死ほどやりきれない苦悩はない。さらに死後がまったく未知の世界であるがゆえに,人はさまざまな想像を働かせ,死に至る過程での恐怖を少しでも和らげるための手立てを講じてきた。本稿では死者はいかにして祀られてきたのか,また生者が死者をいかに扱い,生者と死者はどのように交渉したと信じられてきたのか,すなわち死者祭祀の実態と死者を祀る装置としての墓をめぐる伝承について。さらに死者の名を生者が継承する命名法について,具体的な事例に基づきながら考察する。葬送儀礼死者祭祀改葬墓制祖名継承