社会福祉行政研究に関係するミクロ権力論には、社会学権力論と行政学的権力論の二つの流れがある。この論文では、行政学的権力論を切り開いたリプスキーのストリート・レベルの官僚制(SLB)論を大きく取り上げ、社会福祉行政研究におけるその適用可能性について検討している。また、SLBの在り方が現代において変化した要因についても考察している。それは行政への批判的態度の増大、ガバナンス改革、福祉専門職の行政への進出といったものである。井上恒男教授退職記念号退職記念論文(Article in commemoration of the retirement of Professor Tsuneo Inoue)