- 著者
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畑本 裕介
Yusuke Hatamoto
- 出版者
- 同志社大学政策学会
- 雑誌
- 同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.2, pp.11-24, 2018-03-01
この論文は、社会福祉行政における専門性概念がこれまでどのような意味合いを担い、これからどのような意味合いを担うようになるかを考察するものである。社会福祉行政においては社会福祉主事という福祉専門職が雇用されているが、その専門性は、行政庁内における他部局から分離するための意味合いが第一に求められていた。こうした専門性の考え方を、この論文では専門性の「形式的理解」と呼んだ。専門性の形式的理解においては、専門性の内実は、経験年数をはじめとした「熟練」で代替されるものであった。しかしながら、社会福祉士という国家資格が整備されたり、行政庁内において社会福祉行政の比重が高まったりすると、こうした形式的理解では不十分となっていく。代わって、求められるようになるのは、専門性の「本質的理解」である。この論文では、新たな専門性理解において求められる要素についても考察している。それは、①特別性を持つ対象への相談事務、②社会福祉計画策定技術、③庁内外での社会福祉関連知識の普及者としての役割、の3つである。