- 著者
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山崎 敦子
渡邊 剛
川島 龍憲
小川 奈々子
大河内 直彦
白井 厚太朗
佐野 有司
植松 光夫
- 出版者
- 日本地球化学会
- 雑誌
- 日本地球化学会年会要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.55, pp.406-406, 2008
サンゴ骨格の窒素同位体比を用いて過去の海洋表層の栄養塩濃度とその起源を復元し、新たな古環境指標としての可能性を検討するため、外洋の沖ノ鳥島と石垣島轟川河口からサンゴ骨格試料を採取し、その成長方向に沿って窒素同位体比・総窒素量を1ヶ月の分解能で測定した。また比較のため、それぞれの窒素同位体比の測線に平行して沖ノ鳥島サンゴではBa/Ca比、Mn/Ca比を、石垣島サンゴではMn/Ca比を測定した。その結果、窒素同位体比・総窒素量の平均値は共に石垣島の方が高く、沿岸の方がサンゴの窒素同化が盛んであることを示した。さらに石垣島サンゴでは、河川からの流入物質の影響が窒素同位体比、総窒素量とMn/Ca比に反映し、沖ノ鳥島サンゴでは、海洋の鉛直混合や湧昇に伴う深層からの栄養塩の供給と海洋表層の窒素固定が窒素同位体比の変動要因として考えられる結果となった。今後、サンゴ骨格の窒素同位体比は海洋の栄養塩の挙動を復元する指標となることが期待できる。