- 著者
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宮島 恵樹
三好 主晃
東 拓弥
石井 真夢
村永 信吾
田浦 正之
小西 由里子
小串 健志
亀山 顕太郎
関 俊昭
松田 雅弘
高見澤 一樹
- 出版者
- 公益社団法人 日本理学療法士協会
- 雑誌
- 理学療法学Supplement
- 巻号頁・発行日
- vol.2014, 2015
【目的】我々は,千葉県民の能動的で活発な健康社会づくりに寄与するため,2010年度より「千葉県から転倒を減らそうプロジェクト」を展開している。本取り組みは県内士会員による転倒予防を目的とした転倒予防セミナーの開催と,歩行年齢測定会の実施である。また,ロコモティブシンドロームの概念の普及,健康日本21プロジェクトの一環として活動の展開を広げている。高齢者の転倒予防の実践は,各個人の健康寿命延命のみならず,実益的な医療費削減や介護費削減,地域・自治体の活性への貢献として今後の重要課題といえる。【活動報告】測定会は,有志の県士会員の協力を得ながら千葉県内各地の健康増進,福祉関連イベントへの出展や,県・開催市町・医師会などからの後援を受け,県内各地で開催される健康増進,福祉関連イベントなどに出展を行ってきた。歩行年齢測定は,測定項目は,体組成,ファンクショナルリーチ,2ステップテスト,TUG,立ち上がりテストの5項目で行い,測定結果の説明は,転倒予防に対する危険度,機能低下が明らかな点,改善目標を自己管理の為の運動指導とあわせて説明した。運動動機能の維持向上への取り組みを歩行機能の低下を自覚する世代から,その予備軍まで幅広い働きがけをしている。これまでの4年間で4000名以上の県民の皆様が参加されており測定会場によっては毎年会場に足を運ぶ県民も少なくはない。【考察】理学療法士が国民の健康寿命延伸や,転倒予防活動に積極的に参加することで理学療法士の認知向上はもとより。理学療法士の知識技術が健康増進分野へも十分寄与することが示唆され,予防分野への職域拡大に貢献すること考える。【結論】進行する要介護状態への早期発見,運動習慣への動機付けという早期対応の促進にも繋がり,要介護状態への抑制の一助となり得ると考える。