著者
淺井 智子 石橋 ちなみ 杉山 寿美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 食肉加工品への食塩添加はミオシンの可溶化およびゲル形成能に関与し,製品のテクスチャー等に大きく影響する。しかし,ソーセージなどとは異なり,低濃度の食塩が添加されるハンバーグにおける食塩添加や添加後の混捏操作の影響は明らかではない。一方,近年食事に含まれる食塩量の減少が推奨されているが,食塩の有する調理特性を考慮しなければ,最終製品の嗜好性を損なう。そこで,本研究では,ハンバーグのテクスチャーに及ぼす食塩添加量,混捏程度の影響を検討した。<b>方法</b> 牛ひき肉300gに肉重量の0%,0.5%,0.8%,1.0%の食塩を加えた。フードプロセッサーで20秒又は80秒間混捏した後,炒め玉ねぎ45gを加え,10秒間混捏した。50gずつセルクル(&Oslash;70mm)で成型後,220℃で8分間の加熱を行った。調製したハンバーグの静的粘弾性測定(テクスチャーアナライザーEZ-S,島津),走査電子顕微鏡観察(JSM-5800LM,JEOL),官能評価を行った。また,食塩添加量の異なる牛ひき肉の動的粘弾性測定(RS6000,Thermo HAAKE)も行った。<b>結果</b> 静的粘弾性測定の結果,混捏90秒では,NaCl濃度が高いほど軟らかくなること,また,混捏30秒と比較して0.5%NaClまでは硬く,0.8%までは凝集性が高いが,それ以上の濃度では混捏時間による影響が小さくなることが示された。また,官能評価の結果,混捏90秒ではNaCl濃度が低い場合に,硬く,もろくないと評価された。走査電子顕微鏡観察では,これらの結果を裏付ける組織構造が観察された。動的粘弾性測定における温度依存測定の結果では,NaClを添加していない場合はG&rsquo;G&rdquo;の上昇開始温度が40℃付近である一方,添加した場合は30℃付近となり,その後の温度上昇に伴うG&rsquo;G&rdquo;の挙動もNaCl濃度によって異なっていた。これらより,低濃度の食塩添加であっても,ハンバーグのテクスチャーや組織構造に違いが生じることが明らかとなった。

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