著者
宇都宮 由佳 谷澤 容子 松本 美鈴 福永 淑子 石井 克枝
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】本研究は,タンパク質を多く含む食品の調理に注目して,日本,台湾,タイ,フランス,イタリアの食生活の国際比較をし,それぞれの食の伝統がどのように日常食に反映されているか解明することを試みるものである.本発表では,タンパク質を多く含む食品の日常食における利用状況を麺類との組み合わせについて国際比較をする.<br>【方法】調査は,2011年5~12月に関東地域の136名,2011年11~12月に台北居住の163名,2011年5月~2013年3月にタイ王国ラジャパートチェンマイ大学生100名,2002年11月~2003年2月および2014年1~2月にフランスストラスブール居住の107名+34名,2011年11月~2012年4月に北イタリア居住の35名を対象に,自記式法により実施した.内容は,属性,連続した平日2日間の食事の記録とした.解析には,統計用ソフトSPSSを用い,クロス集計,カイ二乗検定などを行った.<br>【結果】麺類と組み合わせたタンパク質を多く含む食品の料理の出現率は,日本9.2%,台湾15.0%,タイ27.9%,フランス+イタリア(欧州)14.3%であり,タイが最も高かった.麺類は,各地域共通して肉類との組み合わせ比率が高い.次いで日本では魚介類,台湾・タイでは卵類との組み合わせが見られた.欧州は,乳製品「加熱無」との組み合わせ高く,他の地域比べ有意に高かった.日本,タイでは,ちゃんぽん,ラーメン,クエティオ(米麺)など汁物として,台湾は和え麺,牛肉麺など汁無麺で茹でる調理法で摂取されていた.(本研究は2011~2013年度公益財団法人アサヒグループ学術振興財団からの助成を受けている)

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