著者
谷澤 容子 松本 美鈴 宇都宮 由佳 福永 淑子 石井 克枝
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

○谷澤容子1)松本美鈴2),宇都宮由佳2),福永淑子,3),石井克枝4)1)甲子園大,2)大妻女子大,3)川村学園女子大,4)千葉大【目的】、タンパク質を多く含む食品の調理に注目し、日本、タイ、台湾、フランス、イタリアなど各地域における食生活の国際比較を行うことにより、それぞれの食の伝統がどのように日常食に反映されているか浮き彫りにし、各地域の食生活の方向性を読み取ることを試みようとしている。本発表では、イタリアとフランスの特徴を把握することを目的とした。【方法】イタリアの調査は、2011年11月~2012年4月にイタリアに居住する19歳以上の男女35名を対象者とし、イタリア語による調査用紙にて留め置き自記式調査法により調査を実施した。内容は、対象者の属性、連続した平日2日間の食事の記録(料理名、食品名、調理方法、調達方法、食事場所など)とした。フランスは、2002年11月~2003年2月に実施した調査を参照した。アンケートの集計と解析には、統計用ソフトSPSSを用い、単純集計、クロス集計およびχ2検定などを行った。【結果】イタリアの食事の調査数は、朝食67件、昼食70件、夕食68件であり、フランスは、朝食210件、昼食214件、夕食214件であった。タンパク質を多く含む食品の出現数は両国とも朝食は夕食、昼食に比べ少なく、朝食の殆どが乳類で、昼食は、肉類、乳類、魚介類、卵類の順であった。夕食については、イタリアは昼食と同順であったが、フランスは乳類が最も多く、肉類、卵類、魚介類となった。(本研究は、2011年度~2013年度公益財団法人アサヒグループ学術振興財団からの助成を受けている。)
著者
島田 淳子 綿貫 美奈子 谷澤 容子 畑江 敬子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.199-206, 1992-03-15
被引用文献数
2

1cm厚さの牛肉のサーロイン肉(胸最長筋)を0℃で2日から14日間熟成した. 熟成した生肉および,これを209℃で90秒焼いた肉の物理的特性(剪断力価,硬さ,凝集性,針入載,保水性), 5'-IMP含量, 有機酸量および遊離アミノ酸とオリゴペプチド態アミノ酸の量と組成を測定した. また,官能検査により, 加熱した熟成肉の軟らかさ, うま味の強ち, 総合的好ましさなどが評価された. この結果, 熟成により軟らかさは, 官能評価においても, 客観測定においても顕著に増加した. うま味に関与するグルタミン酸量および5'-IMP量は熟成により,前者は増加,後者は減少した. 両者の量より算出した呈味強度は熟成により増加したが, 官能評価におけるうま味の強さには熟成による有意の増加が認められなかった. 以上より官能評価におけるうま味の強さにはGlu, 5'-IMP以外の成分の寄与が示唆された.
著者
宇都宮 由佳 谷澤 容子 松本 美鈴 福永 淑子 石井 克枝
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】本研究は,タンパク質を多く含む食品の調理に注目して,日本,台湾,タイ,フランス,イタリアの食生活の国際比較をし,それぞれの食の伝統がどのように日常食に反映されているか解明することを試みるものである.本発表では,タンパク質を多く含む食品の日常食における利用状況を麺類との組み合わせについて国際比較をする.<br>【方法】調査は,2011年5~12月に関東地域の136名,2011年11~12月に台北居住の163名,2011年5月~2013年3月にタイ王国ラジャパートチェンマイ大学生100名,2002年11月~2003年2月および2014年1~2月にフランスストラスブール居住の107名+34名,2011年11月~2012年4月に北イタリア居住の35名を対象に,自記式法により実施した.内容は,属性,連続した平日2日間の食事の記録とした.解析には,統計用ソフトSPSSを用い,クロス集計,カイ二乗検定などを行った.<br>【結果】麺類と組み合わせたタンパク質を多く含む食品の料理の出現率は,日本9.2%,台湾15.0%,タイ27.9%,フランス+イタリア(欧州)14.3%であり,タイが最も高かった.麺類は,各地域共通して肉類との組み合わせ比率が高い.次いで日本では魚介類,台湾・タイでは卵類との組み合わせが見られた.欧州は,乳製品「加熱無」との組み合わせ高く,他の地域比べ有意に高かった.日本,タイでは,ちゃんぽん,ラーメン,クエティオ(米麺)など汁物として,台湾は和え麺,牛肉麺など汁無麺で茹でる調理法で摂取されていた.(本研究は2011~2013年度公益財団法人アサヒグループ学術振興財団からの助成を受けている)
著者
谷澤 容子 中谷 圭子 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.375-381, 2002-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

A survey on contemporary daily cooking in France was carried out in Strasbourg (Alsace) to better understand the current diet in France and the constituents used in daily dishes. The results were obtained from 121 French women ranging in age from the 20 s to 60 s. About 70% of the subjects ate bread at breakfast, mostly with both butter and jam. Some ate cereals, biscuits or cakes for breakfast, while coffee was drunk by most of them, and tea by some. Fruit, egg dishes, ham and dairy products were eaten by some subjects, although not very often. Beef, pork and other types of meat were eaten at lunch, almost always accompanied by cooked potatoes. Salad, fruit and dessert were frequently eaten at lunch and dinner, while soup and cheese were more often served at dinner than at lunch. Instead of beef and pork dishes, sausages and ham were usually served at dinner. The average number of dishes was three to four both lunch and dinner. In addition, the number of dishes served at lunch was more than that served at dinner.