- 著者
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平嶋 裕輔
浅井 武
鈴木 健介
中山 雅雄
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.70, pp.223_3, 2019
<p> ゴールキーパーにとって最も重要なプレーはシュートストップである。このシュートストップは、現在、セーブ率を用いて評価されることが一般的である。しかし近年、セーブ率は、被シュート1本毎のシュートストップ難易度が考慮されておらず、現場に有効な評価指標ではないとその妥当性を疑問視する声もある。そこで本研究は、2014FIFAワールドカップ全64試合を対象に、128名のGKをセーブ率によって評価し、その結果と被シュート1本当たりの平均シュートストップ失敗確率、被シュート数、予測失点との関係を明らかにし、セーブ率の問題点を検証することを目的とした。被シュート1本当たりの平均シュートストップ失敗確率及び予測失点の算出には、平嶋ほか(2014)が開発したシュートストップ失敗確率予測回帰式を用いた。その結果、セーブ率と被シュート1本当たりの平均シュートストップ失敗確率、予測失点との間に有意な負の相関関係が認められた。つまりセーブ率は、シュートストップの難易度が考慮されておらず、平均シュートストップ失敗確率の低い選手、予測失点が少ない選手の評価が高くなるという大きな問題点を有するということが明らかとなった。</p>