著者
田村 夢果 内山 智裕 井形 雅代 Yumeka Tamura Tomohiro Uchiyama Masayo Igata
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.81-86, 2022-09-16

新型コロナウイルス感染症は,花き業界にも多大な影響を与えた。特に2020年3~5月の第1波では,業務用需要が大幅に減少した結果,大量の花が廃棄され,「フラワーロス」と称された。しかし,小売店での売れ残りに伴うロスや,出荷規格から外れたことによるロスなど,花の廃棄の問題は以前から存在している。本論は,小売業者による花の廃棄問題への対策の内容を解明し,コロナ禍における状況変化を明らかにすることを目的とした。そして,花の廃棄対策に積極的に取り組む小売業者3社の事例分析により,以下の2点を明らかにした。①発生を抑制・減量化するために,規格外品の販路の開拓,サブスクリプションサービスやオンラインD2C販売など流通の短縮化,販売数の確定や正確な予測などに取り組んでいる。②対策を行ったうえでも発生するロスを活用して,堆肥化などの新たな製品にリサイクル・アップサイクルしている。また,コロナ禍におけるフラワーロスへの関心の高まりが,広い範囲での花の廃棄削減に効果を発揮していることも明らかにした。
著者
後藤 一寿 井形 雅代 高橋 京子 井上 荘太朗 須田 文明
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

地域経済の成長と国民の健康福祉の向上を同時に実現する方策としては、健康や安全に資する先端科学バイオ技術開発と産業界・経済界への円滑な技術移転による新産業クラスターの創出が必要不可欠である。そこで、バイオ産業・企業と、機能性食品等の開発を行う食品産業・企業との融合による栄養・健康産業クラスターの構築に焦点を絞り、日本・ヨーロッパ・アジアの栄養・健康産業クラスター事例の発掘・評価ならびに国際比較を行った。その結果、オープンイノベーションの視点による研究開発支援の重要性や、機能性農産物、漢方・生薬の自給率向上による医療産業支援などの重要性が明らかとなった。