著者
井上 荘太朗
出版者
農林水産省農林水産政策研究所
巻号頁・発行日
no.12, pp.65-84, 2006 (Released:2011-03-05)

さとうきび作は、沖縄県の経済振興のために必須の作目と政策的に位置づけられてきた。この背景には、沖縄県、特に離島部の経済がさとうきび作と製糖業に対して大きく依存しており、かつ代替的な作目が見出しがたいとする認識がある。しかし農家の高齢化に伴い、沖縄県のさとうきび作は縮小してきている。また、島ごとにみると、他の経済部門が小さい上に輸送条件が不利な遠隔離島地域にある平坦部の広い島(南北大東島や宮古島等)では、依存度は確かに高いが、こうした島を除くと、依存度はあまり高くない場合もあることが指摘される。このように各島での事情は異なるが、製糖工場の操業度が低下していることもあり、いずれの島でも、さとうきび生産の拡大を強く支援するために多様な施策がとられており、高い成果をあげている場合もある。しかし、国内の砂糖市場が縮小し、国内糖業の支持のための財政負担の効率性も厳しく問われている状況下においては、こうしたモノカルチャー的なさとうきび作の拡大に偏った政策を再検討することも必要かもしれない。さらには、今後、離島社会の振興をより持続的な基盤の上で進めるためには、各島の事情に応じて、農業と他の経済部門との連携を含んだ柔軟な施策を採用していくことが求められると考察される。
著者
井上 荘太朗
出版者
農林水産省農林水産政策研究所
雑誌
農林水産政策研究 (ISSN:1346700X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.65-84, 2006-09

さとうきび作は、沖縄県の経済振興のために必須の作目と政策的に位置づけられてきた。この背景には、沖縄県、特に離島部の経済がさとうきび作と製糖業に対して大きく依存しており、かつ代替的な作目が見出しがたいとする認識がある。しかし農家の高齢化に伴い、沖縄県のさとうきび作は縮小してきている。また、島ごとにみると、他の経済部門が小さい上に輸送条件が不利な遠隔離島地域にある平坦部の広い島(南北大東島や宮古島等)では、依存度は確かに高いが、こうした島を除くと、依存度はあまり高くない場合もあることが指摘される。このように各島での事情は異なるが、製糖工場の操業度が低下していることもあり、いずれの島でも、さとうきび生産の拡大を強く支援するために多様な施策がとられており、高い成果をあげている場合もある。しかし、国内の砂糖市場が縮小し、国内糖業の支持のための財政負担の効率性も厳しく問われている状況下においては、こうしたモノカルチャー的なさとうきび作の拡大に偏った政策を再検討することも必要かもしれない。さらには、今後、離島社会の振興をより持続的な基盤の上で進めるためには、各島の事情に応じて、農業と他の経済部門との連携を含んだ柔軟な施策を採用していくことが求められると考察される。
著者
井上 荘太朗
出版者
農林水産省農林水産政策研究所
雑誌
農林水産政策研究 (ISSN:1346700X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.65-84, 2006-09

さとうきび作は、沖縄県の経済振興のために必須の作目と政策的に位置づけられてきた。この背景には、沖縄県、特に離島部の経済がさとうきび作と製糖業に対して大きく依存しており、かつ代替的な作目が見出しがたいとする認識がある。しかし農家の高齢化に伴い、沖縄県のさとうきび作は縮小してきている。また、島ごとにみると、他の経済部門が小さい上に輸送条件が不利な遠隔離島地域にある平坦部の広い島(南北大東島や宮古島等)では、依存度は確かに高いが、こうした島を除くと、依存度はあまり高くない場合もあることが指摘される。このように各島での事情は異なるが、製糖工場の操業度が低下していることもあり、いずれの島でも、さとうきび生産の拡大を強く支援するために多様な施策がとられており、高い成果をあげている場合もある。しかし、国内の砂糖市場が縮小し、国内糖業の支持のための財政負担の効率性も厳しく問われている状況下においては、こうしたモノカルチャー的なさとうきび作の拡大に偏った政策を再検討することも必要かもしれない。さらには、今後、離島社会の振興をより持続的な基盤の上で進めるためには、各島の事情に応じて、農業と他の経済部門との連携を含んだ柔軟な施策を採用していくことが求められると考察される。
著者
後藤 一寿 井形 雅代 高橋 京子 井上 荘太朗 須田 文明
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

地域経済の成長と国民の健康福祉の向上を同時に実現する方策としては、健康や安全に資する先端科学バイオ技術開発と産業界・経済界への円滑な技術移転による新産業クラスターの創出が必要不可欠である。そこで、バイオ産業・企業と、機能性食品等の開発を行う食品産業・企業との融合による栄養・健康産業クラスターの構築に焦点を絞り、日本・ヨーロッパ・アジアの栄養・健康産業クラスター事例の発掘・評価ならびに国際比較を行った。その結果、オープンイノベーションの視点による研究開発支援の重要性や、機能性農産物、漢方・生薬の自給率向上による医療産業支援などの重要性が明らかとなった。
著者
中川 光弘 加賀 爪優 桑原 祐史 信岡 尚道 田附 明夫 長澤 淳 金澤 卓弥 上林 篤幸 上林 篤幸 井上 荘太朗
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

アジア農業モデルを開発し、農業部門への気候変動の影響予測を行い、その適応戦略を検討した。またGISやリモートセンシングを使ってアジア沿岸域への気候変動の影響予測と土地利用のあり方を検討した。農業部門への気候変動の影響は、既にアジア各地で現れているが、それが食料問題として深刻化するのは特に輸入依存度の高い最貧国であり、世界農産物市場を介して主要国の農業政策の影響も加わって、複合的な形で現れることが明らかになった。