著者
氷見 徹夫 高野 賢一 山下 恵司 小笠原 徳子 正木 智之 小幡 和史 堤 裕幸 小島 隆 一宮 慎吾 澤田 典均 横田 伸一
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.239-244, 2013 (Released:2014-03-20)
参考文献数
7

粘膜防御機構は自然免疫の最前線であり,上皮細胞に加えて免疫系細胞などを含む複合的なシステムで構築されている。耳鼻咽喉科領域では扁桃・アデノイドに代表される粘膜関連リンパ装置は,その抗原捕捉機構を駆使して,免疫記憶の形成と特異的抗体産生機構に関与している。一方,上気道の最前線である鼻粘膜もまた抗原捕捉に伴う免疫反応を行っているとともに,ウイルス・細菌感染やアレルギー炎症の場としても重要である。われわれは,扁桃やアデノイド,そして鼻粘膜の上皮についての研究を行い,機械的バリアを含む自然免疫の新しい概念を提唱してきた。ここでは,われわれの研究より得られた知見をもとに,扁桃,鼻粘膜の基本的な免疫臓器としての機能解析と,それぞれの類似性・相違性,自然免疫・獲得免疫での位置づけについて言及する。
著者
一宮 慎吾 氷見 徹夫 佐藤 昇志
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)は高親和性抗体の産生に重要で、また可塑性を示す一方、ヒトTfh細胞の機能制御機構や疾患との関連については未だ不明な点が多い。本研究では臨床検体を用いてヒトTfh細胞の医学的意義や機能制御機構を探ることを目的とした。研究の結果、Tfh細胞は閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因である肥大扁桃に多く含まれ、またアレルギー性鼻炎や気管支喘息患者の末梢血液中のTfh細胞サブセットの構成比が健常人と比較して異なっていた。不均衡な分化を示すTfhシフトあるいはTfh2シフトに、ALOX5関連脂質メディエーターやPOU2AF1転写制御因子が関係している可能性が見出された。