著者
七邊 信重
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.171-183, 2009 (Released:2019-10-01)
被引用文献数
1 1

本研究は、日本の同人・インディーズシーンにおけるゲーム制作の特徴と、これを持続的に可能にしている社会経済的条件、およびここから多様な表現が生み出されている要因を、質的データ分析によって解明することを試みたものである。インタビューデータのコード化の結果、同人・インディーズ のゲーム制作には、1志向性、2自律性、3柔軟性、4開発スピード、5ユーザーとの距離、6売上・ 収入において特徴があることが明らかになった。さらに、1数千本~1 万本程度の売り上げでペイライ ンを越えるビジネスユニットとエコシステムが形成されていること、2このエコシステムの中で、制作 者の個性を反映した尖った作品が持続的に開発されていることが示された。この結果は、日本における 持続的な小規模ゲーム開発の社会的・経済的可能性を示唆している。
著者
七邊 信重
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.175-183, 2011

Independent productions of manga, game and music, etc. are the cultures with which it is widely familiar in Japan. These cultural practices are done by using services of shops selling independent production goods, print companies, etc. In a modern Doujin Field, the role of "Cultural mediators" (Bourdieu 1979=1990; Negus 1996=2004) or "Business components" (Deguchi, Tanaka, and Koyama 2009) that has a great knowledge of Contents are thought to be a very large. However, this agents' role has been hardly studied up to now in the doujin culture research of sociology and cultural studies. So, in this paper, using "the Field of Cultural Production Theory" of Pierre Bourdieu and participatory observation approach, paying attention to the "Doujin Shops", I analyze practices and strategies of "Cultural mediator" in Doujin Field and structures and norms by which they are conditioned.
著者
七邊 信重
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.77-84, 2016-10-25 (Released:2020-10-09)
参考文献数
12

Level-5 which was a small game development company in Fukuoka at first has developed big hits one after another and expanded its market share in the mature console game industry. In this paper, by analyzing its management strategies and resources as functions of its success in the oligopolistic mature industry, I examine the effective means for small and medium-sized companies to survive and grow in mature industry.
著者
七邊 信重
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.77-84, 2016

<p>&emsp;Level-5 which was a small game development company in Fukuoka at first has developed big hits one after another and expanded its market share in the mature console game industry. In this paper, by analyzing its management strategies and resources as functions of its success in the oligopolistic mature industry, I examine the effective means for small and medium-sized companies to survive and grow in mature industry.</p>
著者
鎌倉 哲史 七邊 信重 馬場 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.13-18, 2011

MMORPGの歴史授業への活用について検討した鎌倉・富安・馬場(2009)において、ゲームを 1 人で自由に遊ばせる授業デザインよりも、グループ課題を課し成果を発表させることでゲーム内体験をクラス全体で共有していく授業デザインの方が効果的であることが示唆された。そこで本研究では、授業参加機会の平等性の観点から、より優れたゲーム課題群の授業デザインの検討を研究課題として実験 1 、及び実験 2 を実施した。その結果、ゲーム内の課題についてスライドの作成と発表を課したスライド群は、事前と比較して事後に社会的スキル、学校生活満足度、歴史関心度の各尺度得点 が有意に大きく向上していた。また群間の比較では、通常の歴史授業を受けた統制群と比較して、スライド群の歴史関心度の変化量が有意に大きいことが分かった。
著者
七邊 信重
出版者
東京工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の調査主題は、日本のアマチュアのゲーム制作文化の歴史と現状、規模、この文化が日本のゲーム開発に果たした役割について明らかにすることであった。アマチュアのゲーム制作者約70名、アマチュア作品の販売・流通企業、アマチュア出身のゲーム会社、アマチュア作品の商業化を手がけている企業の関係者約20名への聞き取り調査や参与観察調査などから、独創的なアマチュアのゲーム制作を支援する文化・市場が日本で形成されていること、様々な資本を蓄積したエリート開発者集団が登場していることなどを明らかにした。