著者
三上 卓 君島 康太 時沢 英明 笹田 修司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.661-668, 2009
被引用文献数
1

平成16年に発生した新潟県中越地震では,約1万7千世帯の家屋が全半壊し,ピーク時には約10万人が避難所を利用していた<SUP>1)</SUP>.一方で,避難所での生活を避け,自家用車内で生活し,エコノミー症候群によって亡くなる人が出るという事態が生じた.その理由の一つとして,避難所の設備等に不十分な点が挙げられる.本研究では,避難所設備の重要度をアンケート調査から設定し,重要度に応じて避難所設備の現状を評価した.さらに,その結果に基づき避難所設備の効率的な改善方法を検討した.
著者
後藤 洋三 池田 浩敬 市古 太郎 小川 雄二郎 北浦 勝 佐藤 誠一 鈴木 光 田中 努 仲村 成貴 三上 卓 村上 ひとみ 柳原 純夫 山本 一敏
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.5_97-5_117, 2015

東日本大震災の津波避難の実態を分析するため、研究者、技術者の有志が任意参加の連携組織「東日本大震災津波避難合同調査団」を結成し、重複調査を避け調査モラルを向上させるべく連絡を取り合って調査を実施した。本報告はこの調査団発足の経緯を述べたうえで調査団の中核として活動した山田町・石巻市担当チームの調査方法とその実施状況、ならびに住民の避難に関わる背景的事象の調査結果を述べる。収集した被災者の避難データの特性については別途に取り纏め報告する。山田町・石巻市担当チームの調査に対する被災住民の苦情は聞かれず、むしろ信頼関係のもとで避難の実態解明に役立つ情報を多数得ることが出来た。著者等は山田町・石巻市担当チームの調査データとその調査経験が活用されることを期待して本報告を取りまとめている。
著者
金井 純子 中野 晋 山城 新吾 三上 卓
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_211-I_218, 2020
被引用文献数
2

<p> 令和元年東日本台風では越辺川右岸0.0k付近の堤防決壊により,近くの高齢者施設(1法人2施設)や障害者施設(1法人6施設)が甚大な被害を受けた.被災した2法人を対象に,被害状況,避難行動,避難確保計画,被災後の業務再開状況等についてインタビュー調査を行った.また,浸水痕跡調査を実施した上で,破堤に伴う川越市内の氾濫進展状況を数値シミュレーションにより再現し,証言内容の検証を行った.高齢者施設と障害者施設の利用者の身体的特性や,避難方法,避難生活などの情報を施設特性に注目して整理し,施設特性を踏まえた避難確保計画と長期避難を想定した業務継続計画を検討しておくことの重要性について明らかにした.</p>