著者
三宅 禎子
出版者
岩手県立大学
雑誌
リベラル・アーツ (ISSN:18816746)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.33-44, 2013

国連を中心とする女性差別撤廃の取り組みに、欧米フェミニズムの新しい女性解放の視点、ラテンアメリカ・カリブ地域女性たちの視点が加わり、世界の女性差別撤廃運動は大きく前進した。しかし、それは、当初から相互理解によって進められてきたわけではなく、各地域の女性たちが置かれている状況の相違による対立、対立によって生じたそれぞれの概念の変容を通して達成された。そこには、国連主導の世界女性会議、ラテンアメリカ・カリブ地域フェミニスト集会などのNPO団体活動の活発化によって、互いに影響し合いながら、フェミニズムのグルーバル化のメカニズムが働いた。
著者
エヴァンズ キャトリン 黒岩 幸子 三宅 禎子
出版者
岩手県立大学
雑誌
リベラル・アーツ (ISSN:18816746)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-17, 2008

大学の語学教育の現場では、時間的制約や学生の学習意欲の低下などの問題を抱えながらも、コミュニケーション能力の向上に重点を置いた様々な取り組みがなされている。本稿は、ビデオ撮影の手法を授業に取り入れた3ケース(岩手県立大学の第二外国語としてのロシア語およびスペイン語、同大学短期大学部国際文化学科の英語)を検証し、その効果と問題点を明らかにしたものである。3ケースともに、大学所有の施設や機器を使って、小グループの学生によるスキット作成やスタジオ収録、学生自身がビデオ機器を駆使したプレゼンテーションやビデオ番組の作成を授業の枠内で行っている。文法や語彙の理解と暗記に偏りがちな受身の語学学習とは異なり、ビデオ撮影は、学生が主体となって構想から実践まで関わる点で、ユニークな効果が見られる。第二外国語の場合は、ビデオ収録によって学習成果がビジュアル化されることが学習者への刺激となる。すでに中学・高校で6年間学んできた英語の場合は、簡単な日常会話だけでなく、テーマに即した発信型のビデオ作成も可能である。スキットやビデオ作成のプロセスでも、新しい語彙や表現の獲得、共同作業によるクラスの活性化などのメリットが見られる。ただし、ビデオ撮影は、シナリオ作成や準備などに、かなりの時間と労力を要するため、授業に導入するには、綿密な計画と教員による指導が必要である。
著者
三宅 禎子
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

各種団体との面接調査で、バイリンガル教育、保健衛生方面での青少年教育プログラムなどに女性たちコミュニティ活動リーダーらが活躍している実態が判明した。行政側は、地元で増加するヒスパニック人口に対応する必要性に迫られ、コミュニティ活動の経験豊かなプエルトリコ人を採用する経緯などが明らかになった。特に、プエルトリコがアメリカ領土として教育環境整備が歴史的に進行し、プエルトリコ人女性には教育水準が高い人が多く、それらの女性が教育や政治的経歴を買われて行政アドバイザーなどに任用されるケースが目立つ。